栗原神楽 法童丸母対面の場@ 第37回尾松地区神楽鑑賞会
さて、本日は第37回尾松地区神楽鑑賞会から栗原神楽さんで法童丸母対面の場です。
栗原神楽さんの由来については定本より
「明治一二年三月三一日、栗原悦之助が神道事務局に神楽の届出し承認を得た文書がある。
岩手県萩荘村市野々の自鏡山山伏神楽の指導を得たといわれている。
大正時代に復活、中断した。昭和五年、栗原の佐藤正吉が指導し再興する。その弟子代表の佐藤左吉に引継がれ現在に至っている。初代庭元栗原悦之助が中断後を再興した。」とあります。
現在の代表者は佐藤敬さんです。
演目は一の谷で熊谷次郎直実に討たれた平敦盛の一子法童丸が法然上人に預けられ、やがて自分の身の上に疑問をもったことから始まります。
自分の父母はどこにいるのかと法童丸に問われて法然上人は母親に会わせることにします。
京の都、加茂の明神下がり松の根本に捨て子にされた法童丸を、その子の父平敦盛の首を討った熊谷次郎直実改め連生坊が拾い上げ養育した経過より、その加茂の明神に行けば法童丸の母に会えるのではと道行く人に呼びかけます。
すると一人の女性が応えます。
子を捨てる時に置いた黄金造りの短剣が目印と我が子と対面する玉織姫です。
母子対面をするも、法童丸に我が父はいずこにと問われ、玉織姫は敦盛の仇はそこな蓮生坊=熊谷次郎直実だと、幣束を投げやって教えます。
産みの父親敦盛を育ての親直実が首を討ったということを知った法童丸は、いかで忠孝を全うすべきと逡巡し、結果直実に刀を向けます。
そこで蓮生坊は法童丸の刃を受けながら、得々と人の道を説諭します。
この場面、蓮生坊役の佐藤敬さんの迫真の科白立てが心を打ちます。
かくて、人の道として真の道を進むとともに、亡き父親=敦盛の菩提を弔うことにより己の人生が開けようとの法然上人の教えによって、法童丸は父の墓所へと道行きすることになります。
動画でどうぞ。
