上平沢権現舞 金ケ崎町の権現舞
さて、本日は節分であります。
冬と春の境目に邪気を祓うために祈祷をする日であります。
恵方海苔巻きは関西地方の習俗なので東北地方の集落には関係のないことですが、最近の商業マチックなプロパガンダによって、日本国民ならなべて恵方をしてきたという誤解が生ぜられています。全き誤解の産物で取り合うべきもないものです。
それはさておき、正月から春彼岸にかけて春祈祷と称して獅子頭を奉じて祈祷をする信仰習俗があります。
全国的なものではありますが、こと東北地方では修験山伏の影響が強かったため、平成の現在までも権現の祈祷行事が残っていますがその形態や斎行時期も種々であります。
これは、秋の金ケ崎町北方集落の文化祭で出演した際の上平沢権現舞です。
二人立ての獅子舞に、刀を持った獅子祓いが付きます。
これは、羽黒派の獅子舞の系統であることが歴然としていて、囃子方の太鼓笛の奏楽も同様です。
旧伊達藩領内の内でも、胆沢地方は旧南部藩領と境を接しているため、双方の祈祷権現舞がないまぜになっている上に、明治初期の修験廃止以降に形態が崩れて元々が何であったかが判然としないものもあります。
しかしながら、一時期の凋落を憂いた現在の自治会の皆さんが「権現舞をもう一度」という熱意で、このところ復活してきているのが心強いです。
上平沢権現舞も、5~6年前に一時中断していたのを地域の若者たちで復活しているものです。
現在は、古い住民とサンライズの新しい住民とが同じコミュニティとして活動する中で権現舞に加入するメンバーも加えて継承活動ができるものということです。
ともあれ、磐井・胆沢地方の獅子舞と権現舞はこれからも引き続き解明していかなければならない課題であります。
動画でどうぞ。
