蘇民祭と天王舞と
さて本日は、昨日に引き続き花巻市の胡四王神社蘇民祭から胡四王神楽の天王舞についてです。
胡四王神社の蘇民祭での神楽奉納は、決まって最後に天王舞で納めるようです。
そもそも、蘇民祭というのは、備後国風土記に記された疫隈国社の縁起にある伝承を基に広まった民間信仰の祭りです。
巷に疫病が流行った際には蘇民将来子孫の門戸という護符を捧持するならば必ずや疫病災厄を免れるという約束が得られるということで、裸男衆が蘇民袋を争奪する祭りへと発展し、岩手県内では現在11箇所で行われている。(かつては更に多くの寺社で行われていた)
殊に、今年1月2日には平泉町の達谷窟毘沙門堂で70年ぶりに鬼儺会(おにばらえ)が復活し、民俗信仰に基づく伝統を絶やさじという心意気を示しておられました。
これは岩手の蘇民祭保存会発行のポスターです。皆さん是非観覧・参加を!
ということで、蘇民祭と天王舞のことです。
蘇民将来伝説に出てくる疫病消除の神様は武塔神という北国の神様という設定になっています。
北国の神武塔神が妻女を得るため南海をさして旅をする途中で、宿を乞うたを裕福な弟の巨旦将来は断り、貧しい兄・蘇民将来は粗末ながらもてなした。
そして、武塔神が南海まで八万里ある旅をしていることを述べると、蘇民将来は「君未だ三万里にも及ばず。さらば数万里を走る寶船を君に奉らん」と助言します
武塔神が無事に南海国に着き、頗梨采女と結ばれて8人の息子を産んで国に帰る途中で再び蘇民将来に会います。
そこへ巨旦将来が戦を仕掛けて来ます。 神戦ですが、巨旦将来は黒道化面の姿で、杓文字やヘラやお玉で頗梨采女の息子たちを戦いを演じます。
あれこれ戦いを演じるのですが、胡四王神楽では天王の息子がが巨旦を投げ飛ばす等、かなり過激な演出となっていて、迫力あります。
そしてめでたく巨旦退治ができたところで、面を外しての崩し舞です。
動画でどうぞ。
