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2017.01.03 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ神楽

胡四王蘇民祭と胡四王神楽と

さて本日は、毎年正月2日に催行されました胡四王神社蘇民祭と、そこで奉斎される胡四王神楽についてです。
蘇民祭は花巻市矢沢鎮座の胡四王神社に慶応元年(1865)から伝わる祭事で、花巻地方に原因不明の難病が流行した際に蘇民将来の説話譚に基づいて病魔退散、災厄消除を祈願して始まったということです。花巻市の無形文化財であり、国の記録保存すべき民俗文化財にも指定されていて、数ある岩手県内の蘇民祭でも1年の最初に行われることで有名です。

祭事は、朝8時30分に麓の社務所にて餅つき、水垢離などをした裸参り連が、9時30分頃になると松明を手に山頂の胡四王神社を目指して行列し、本殿で浄火祭が斎行された後、蘇民袋の争奪戦になります。

以前は私も麓から一緒に登りましたが、今回は神楽撮影メインとしたので、境内での争奪戦のみ参観し、最後の一の鳥居までは見ませんでしrた。
本日の岩手日報によりますと取り主は紫波町日詰の畠山真さんということです。

(それにしても、やはり雪の無い蘇民祭は今ひとつ絵にならないなぁ)



さて、裸参り連が登ってくるまでは境内の神楽殿では胡四王神楽による奉納が行われます。

ということで、胡四王神楽の由来について

胡四王神楽は大同2年(807)坂上田村麻呂が東夷東征の際、戦勝祈願する為に勧請した胡四王神社に奉納する神楽です。
古くは康保年中(964-968)に山伏修験者が病魔退散・厄災消除を祈願して神楽を奉納したという言い伝えがあり、神社に伝わる最古の獅子頭には慶長三年(1598)の銘があるという。
現在の舞は、安政3年(1856)に東和町小山田出身の獄妙泉寺の寺男であった宮川文助が、矢沢の屋号小倉掛の中島新蔵・米蔵兄弟に伝承したのが始まりとされる。このことは神楽庭元の中島家に所蔵される「神楽人改」に中島兄弟他五名が安政巳年(1859)に神楽を始めたとする記述による。(以上 中島奈津子著「早池峰神楽の継承と伝播」抜粋3)

ということです。

IMG_9502.jpg

さて、今年は酉年ですが、それに相応しく鳥舞です。
今年は雪が全く無く、暖かい正月となりましたが、年の始まりに相応しい神楽の奏楽を聴くと一年が始まったなという感慨が一入。

IMG_9495.jpg

今年一年が平静で和楽に満ちた一年でありますよう祈願しつつ眺めた蘇民祭でした。

IMG_9497.jpg

動画でどうぞ。

テーマ:伝統芸能 - ジャンル:学問・文化・芸術

2017.01.03 |

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Author:祭りの追っかけ
祭・・・それは祈り、畏れ、そして縋り付くばかりの信仰、神人共生の歓びの象徴。さて、明日のエネルギーの糧を求めに彷徨おう。

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