北下幅神楽 五大領 @文化庁事業成果発表会
さて本日からは、12月25日に奥州市水沢区の北下幅会館にて開催された「奥州胆沢北下幅神楽 文化庁事業成果発表会」についてリポートしていきます。
その前に北下幅神楽の由来について定本より。
「明治初年、千葉源五郎外七人の仲間が、水沢市旧満倉上葉場村、高山稲荷神社の上葉場神楽に弟子入りし神楽を習得した。
明治二年の修験道廃止により神楽団も解散したため、北下幅村の仲間で、北下幅神楽を創設した。
また自ら庭元となり、多くの弟子を養成するとともに、西磐井郡平泉町達谷神楽、水沢市真城瀬台野神楽との交流を深め
数多くの演目を習得した。
初代庭元千葉源五郎、二代千田伊四蔵、三代千葉源五郎、四代小野寺彦助、五代千田竹松、六代千葉庄太郎、七代千葉運蔵、現在の庭元千葉源一は八代目である。
昭和三六年三月、水沢市無形文化財の指定を受けている。
なお他村に伝授した箇所は、明治二五年佐野神楽、福原神楽、明治三○年鴬沢神楽、明治三五年鵜の木神楽、南部岩崎神楽、大正10年番匠神楽、大正14年昆沙門神楽等である。」
とあります。
現在の代表は千葉 新太郎さんです。
この文化庁事業成果発表会の詳しい経緯は明日記述します。
さて演目の五大領は、春夏秋冬と季節の間の土用にまつわる物語です。
幕出し歌は
〽 五大領神の 使者を呼ぶべし
五大領神の 使者を呼ぶべし ほおいよさあ ほういよさあ
筋書きは当日パンフレットより
「我々の日本に四季の神様(春、夏、秋、冬)が三百六十日を納めていましたが、そこに太陽
の神様八拾萬玉の尊より『春夏秋冬のみでは、万物の成長などあり得ない。太陽の恩恵を賜り初めて万別の成長があり得るのです』と意見を申し述べた。
しかし、四季の神々は、太陽の神様の意見を聞き入れず。
ついには、装束を改め太刀を抜いて激しい争いになりました。
その時、月よりの使者「天御中主の尊(アメミナカヌシノミコト)」は『四季は、九拾日ずつあるが、その内より末から数えて十八日を土用として、太陽の神様に分け与えなさい』『そうすれば、十八日掛ける四季(春、夏、秋、冬)は、七十二日成り。すなわち、九拾日より十八日を引いて七十二日となす。』『よつて、各四季(春、夏、秋、冬)と土用ともに七十二日となるように、平等に分けなさい。』と仲裁に入り、平和な世に戻りました。
このことにより、地球五行の法則が誕生して、暦に反映したと言い伝えられている。
ところで、この日は二人の舞手の初舞台でもありました。
高橋さんと佐藤さんです。お二人とも息子さんの神楽の練習に保護者として参加しているところをスカウトされ、舞手となったということです。これから益々のご活躍を期待しておりますよ。
動画でどうぞ。
