社風長京神楽 鳥舞
さて、本日からは12月11日に行われました江刺民俗芸能フェスティバル2016のリポートとなります。
当日のプログラムは以下の通り、順次ご紹介していきます。
社風長京神楽「鳥舞」
奥山行上流餅田鹿踊「礼庭」
奥州市立江刺愛宕小学校「愛小清風太鼓」
川内神楽「一の谷敷軍記の舞」
ゲスト 上駒木野さんさ踊り「仲入り・よしゃれ」
金津流野手崎獅子躍「霧返し」
和田神楽「ハ幡舞」
奥山行山流地ノ神鹿踊「案山子踊り」
原体剣舞保存会「太刀入り剣舞」
田中白山権現舞 「白山大権現舞」
で、トップバッターは式舞として社風長京神楽の鳥舞です。

由来は「胆江地方の神楽」誌より抜粋すると
長京神楽は社風(みやぶり)神楽と称し、長京神楽真伝書(巻物)によると
「安政三年正月吉日(一八五六)東和町谷内村丹内山兼両管物部寅氏より伝授されたものである。
社風神楽と申すは天岩屋戸前にて八意思兼命の御意以って、八百寓神を集い、種々の事をなし天宇受売命手紳を以って、神がかりして舞給うぞ始まり成り。天照大御神もその舞振の雅なるをあやしと思ほして、少し岩戸明けて見そなはし給ふ時天手力男命、御手を取って引出し奉りき斯りし程、芽出度き楽にあれば槻不浄をいましめ清浄たるを以って舞ふくし且つ当流を社風神楽と申す。」
とあります。要するに岳流神楽をひく丹内神社社風神楽から伝授されたので社家神楽としての伝承をしているとのこと。

長京神楽の存する梁川と、丹内神社の鎮座する東和町谷内とは峠一つ隔てて隣り合っている。
丹内山神社神楽が岳神楽より直伝されたのが宝暦9年(1759)である。
そして安政3年に丹内山大権現社の神楽から野手崎村(現梁川)長京の羽黒派修験金嶺山常宝院別当方全に伝授されたということであえうが、これには別説があり、亨保元年(1716)というものであるが定かでない。

現在の舞ぶりが丹内より伝授された当時のものかはわかりませんが、明治の神仏分離に際して、当時の別当小原実風が神楽人を再教育し、丹内神楽の言詞を古事記によって改めとありますので、社家神楽になったのは明治以降と思われます。

動画でどうぞ。
