佐比代虎舞 @第7回全国虎舞フェスティバル
さて本日は、第7回全国虎舞フェスティバルから県外招待団体の八戸市の佐比代虎舞です。
虎舞フェスティバルには2012年以来2度めの出演ということです。
佐比代虎舞と書いて「さびしろ虎舞」と読みます。また、その団体の依拠する地名から小中野左比代虎舞とも称します。
八戸の虎舞は、国の重要無形文化財に指定(つい先日にはユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」に登録された)されている八戸三社大祭に神輿の供奉として練行列につく芸能です。
八戸の虎舞は、市内でも鮫・湊・小中野・新井田などいくつかの地域に虎舞が伝えられており、火伏せや航海安全に関する信仰として伝承されてきた。
<写真は2015年の三社大祭にて撮影>
八戸三社大祭は享保6年(1721)に法霊大明神(現在のおがみ神社)に天候の回復と豊作を祈願して長者山三社堂(現在の新羅神社)に渡御したことが始まり。
虎舞は文政8年(1825)に鮫の虎舞が祭の行列に加わったとされている。
鮫は八戸の海岸部の集落で、岩手県の釜石・宮古地方との交流も考えられるが、同じ虎舞でも芸態や虎頭の意匠等大きな違いがある。巨大でデフォルメされた虎頭は、むしろ九州の虎踊りのものに近い。
また、ササラと呼ばれる子供たちが虎の背に乗る形態は陸前浜の獅子舞のものと近似性があり、囃子は八戸地方のえんぶりと混淆している。
小中野地区は八戸市東部の沿岸部に位置し、御前神社に奉じる御前神楽、小中野えんぶり組そして左比代虎舞が活動を行っている。
八戸の虎舞は、三社祭りに供奉する中でより華やかで観衆受けのするように風流化されてきたものと思料する。
だがしかし、祭りの中でも沿道の観客に頭固めをして歩くなど、尚信仰の対象であることを感じさせる。
動画でどうぞ。
