甲州台ヶ原宿 虎頭の舞 @第7回全国虎舞フェスティバル
さて本日は、第7回全国虎舞フェスティバルから山梨県北杜市(旧白州町)の虎舞です。
甲州台ヶ原宿虎頭の舞と言います。
全国に虎舞は分布していて、主に太平洋岸の漁村に多く伝承されてきています。
台ヶ原宿虎頭の舞の由来は次のとおりです。
文化年間に記された『甲斐国社記・寺記』において、荒尾明神兼武神主の台原長門守が提出した由緒書の「田中明神」の項に次のように書かれているという。
「虎石社 祭日 正月十五日
形チ虎ニ似テ霊石ナリ土人瘧ヲ誓フ昔時当邨(=村)ニテ正月衢(=巷)ノ神ノ祭リニ獅子ノ頭ヲ冠ケレハ此石祟リ成セシ故村卒怖レテ虎ノ頭ニ替ケルトソ依之今ニ邨中物ノ事毎(舞)獅子ヲ禁シ候(後略) 」
要約すると
「往時、神社境内に形が虎に似ている石があり、それに獅子頭を載せたところ祟りがあり、祟りを怖れた村人はそれを虎頭に替え、それ以来神社では獅子舞を禁じている」
つまり、もともとは獅子舞だったということです。
笛の調子は陸前浜の打ち囃子と同じで、虎頭の意匠等も石巻周辺の獅子舞と近似性があるようです。
明治初年頃には一度衰退したが、平成3年に「甲州台ヶ原宿虎頭の舞保存会」として復活し、現在では、田中荒尾神社の秋季例祭(9月22日・23日)にて奉納されているという。
演目には、「本調子」「女男」「寝起き」「田中」という4種類があります。
この日の最初は「寝起き」です。
寝ている虎が起きる様や、大きな締太鼓を斜めに据えて打つ様は、宮城県加美町中新田の火伏せの虎舞を彷彿とさせます。
次は「女男」で、夫婦の虎が遊ぶ様を表しているようです。
最後に「本調子」で、後半には舞台を降りて観客の頭固めをしました。
田中荒尾神社の秋季例祭では、虎頭の舞が約100戸を門付けして回り、それぞれの家に練り込み、子ども達の頭を虎が噛み付いて魔除けをするということです。
動画でどうぞ。
