狼ヶ志田神楽 牛若丸宝蔵破りの場 @第39回平野神社奉納神楽大会
さて本日は、第39回平野神社奉納神楽大会から狼ヶ志田神楽で牛若丸宝蔵破りの場です。
その前に、狼ヶ志田神楽さんの由来について(南部神楽系譜調査報告書より)
「狼ヶ志田神楽は、文久元年神楽の祖、菅原甚太郎、菅原新右エ門、菅原今朝吉、小野寺長蔵等が、小山、中沢神楽の本庄板太郎より山伏神楽を伝授された。
明治二十五年十一月、菅原甚太郎が上昼沢佐藤家を通して達古袋と縁組をしたことから、西磐井郡萩荘村達古袋阿部徳太郎、小岩彦三郎両師匠より達古袋神楽を伝授された。
達古袋神楽は、達古袋に永住した羽黒山系山伏一七代元道常学院相模坊が指導したと言われる。
大正五年二の台、養ヶ森、大正八年恩俗、衣川雲南田等に狼ヶ志田神楽を伝授している。
明治二五年初代庭元菅原甚太郎より昭和四四年九代庭元青沼松男に引継がれている。」
現在の代表jは高橋先雄さんです。
宝蔵破りは源平物語の一節である。
牛若丸の父義朝が平氏に敗れた際に源氏伝来の八十四巻の兵法書「多神通虎の巻物」を四国は熊山城主鬼一法眼に略奪された。藤原秀衡にこれなくして源氏の再興あるまじと諭され、単騎で熊山城に乗り込み鬼一法眼の娘である皆鶴姫を謀略して宝のありかを聞き出し、ついに巻物を奪還するというもの。
奥州平泉の藤原秀衡に源氏再興を目指すなら、平家に奪われた多神通虎の巻物を再び取り返さなければ叶わぬと諭され、四国は熊山城へと我が身を隠して潜入します。
使用人と偽って、熊山城主の鬼一法眼の娘皆鶴姫を笛の音にて籠絡し、虎の巻の在り処を問いただします。
皆鶴姫は、虎の巻の在り処を教えるべきか迷っていましたが、牛若丸から夫婦になる約束を得たため「あれあそこに宝蔵が」と教えてしまいます。
早速宝蔵へと急いだ牛若丸が、必死に虎の巻を探すさまが特徴的です。
牛若丸が宝蔵の中を必死で探す様が帯や布などを放り投げる所作に表現されています。
何が飛び出すかハラハラドキドキして観客は釘付けです。
そして、多神通虎の巻物を見事取り出します。
そこへ鬼一法眼が帰ってきて巻物が無くなったことに驚き、探しだすと牛若丸の姿が目に入ります。
兵法争いの場面、お互いに秘術の限りを尽くしますが、多神通虎を所持する牛若丸は三寸草隠れの法や大山九つ之法などを繰り出します。
戦いに敗れた鬼一法眼は、牛若丸にたぶらかされた皆鶴姫の耳鼻を削いで船に乗せ沖の小島に流し、自らは熊山城もろとも焼き討ち自害して果てます。
動画でどうぞ。
