寺崎法印神楽 岩戸開きの舞 @ 寺崎八幡神社例大祭
さて本日は、寺崎法印神楽で岩戸開きの舞です。全編1時間20分程の長編です。
法印神楽では、通常の舞台の他に五尺四方の小さな舞台を設えることがあります。
これを高舞台とか竜宮御殿とか称しています。
その機能について本田安次の陸前浜の法印神楽から説明を拝借すると
「高舞台は岩戸開、子生み、様を変えての出現等の場合のみ使用される」
つまり、岩戸に隠れた天照大御神の出現場面や、豊玉姫が彦火火出見尊と結ばれて子を産む場面で使用される特殊な舞台です。
因みに、同様の仕掛けは下総南條村虫生の鬼舞の舞台にも見られるという。
(現在の千葉県山武郡横芝光町虫生の広済寺に伝わる鬼来迎のこと)
閑話休題
法印神楽の岩戸開きは、山伏神楽とは異なり、岩戸が開いた後で素戔嗚尊を神界から追放する所までの物語となっています。
烏帽子に白面のツケ(天児屋根命)が右手に白扇、左手に梵天を持って四方拝以下を舞います。
続いて、神諷。天の岩戸に天照大御神がお隠れになったことを奏上し、誰か神々おらぬかのうと呼びかけます。
それに応じて荒々しく神々が出現します。
ここで、胴取りの歌に傾聴していただきたい。
南部神楽で荒型がネリを舞う時の歌が、この法印神楽から継承されているということがよく分かる部分があります。
〽 村に風ふく笹の葉 よーいとよーいとよーいとなー
次いで、天宇受賣命が出て、天照大御神を招き出す御神楽を舞います。
その様子を見ていた天照大御神が岩戸を少し開けた所で天手力男命が岩戸をこじ開けようとします・・・が、なかなか岩戸に手がかかりません。 観衆も心得たもので「それっ、頑張れ!」などと声援を送ります。
ついに岩戸が開き、天照大御神が出現します。
御神体が鏡というのも約束通りです。
さて、めでたく岩戸が開き世の中が明るくなったとはいえ、事の発端の素戔嗚尊を許してはおけない神々が、素戔嗚尊を天界から追放せよと「神祓いに祓えたもう」と神勅を下します。
天手力男命が素戔嗚尊と神戦をなして、とうとう追放してしまいます。
最後は天手力男命の喜びの太刀御神楽で舞い納めます。
動画でどうぞ。
