寺崎法印神楽 初矢 @寺崎八幡神社例大祭
さて、本日からは寺崎八幡神社例大祭において上演された寺崎法印神楽のリポートとなります。
この日の奉納演目は、初矢、岩戸開き、蛭児、魔王退治、日本武尊、叢雲の六番でした。
寺崎法印神楽さんの由来について宮城県民俗芸能(1)から
「寺崎の旧修験良寿院大館龍本坊という法印が、江戸時代前期に法印神楽を編み出したと伝え、寺崎をこの神楽の発祥地としているが言い伝えであり確証はない。桃生地方の浜神楽は奏楽も舞法も優雅華麗であり、俗に桃生神楽と称され人気が高い。寺崎の法印神楽はその中核をなしてきた。
元来は本吉神楽を基として伝わったとみられるが、笛の調べに桃生神楽特有の装飾音が付き、舞振りが派手に芸能化されている。大正3年に寺崎法印神楽団として氏子たちをも加入させて組織を確立した。女川町江島法印神楽、河南町和渕法印神楽のほか各神楽に指導をし、毎年寺崎八幡神社の祭礼を主として近在の神社祭礼において演じている。」
とあり、昭和48年に宮城県指定無形文化財となっています。現在の会長は小泉正之さんです。
上演に先立って代表挨拶で始まりました。
五行幡の中央には既に大蛇が鎮座ましましております。
本日取り上げます演目の初矢(しょや)は、神々の中でも最初に出現した天之御中主神の舞とされています。
天地創造の過程で、次々に出現する神々を導く大切な役割とともに国分、四季分け等の裁定もするなど八面六臂の活躍をする神様です。
その一方で、初矢という名前の通り、法印神楽では最初に舞う神楽とされています。
話は逸れますが、現在の弓道の試合では、四本の矢を射て優劣を競います。
その四本の最初を「初矢(はつや)」といい、.体がこなれていない状態で射るため、十分な力を発揮できていないということで試射の意味合いもあるということです。
閑話休題
法印神楽でもこの初矢は、舞手が最初に習得すべき基本の舞と位置づけていて様々な手次足次を覚えながら神楽人として舞台に立つ心構えを会得する演目となっているようです。
動画でどうぞ。
