犬吠森念仏剣舞 @第55回北上みちのく芸能まつり
本日は迎え盆ということで、お盆らしく先祖供養の話題といきます。
第55回北上みちのく芸能まつりから犬吠森(いぬほえもり)念仏剣舞です。
犬吠森念仏剣舞は、大念仏系の念仏剣舞で、盛岡周辺の念仏剣舞の源流の一つとして県指定文化財となっている。
伝書の回向歌本の奥書に「元禄6年(1693)8月朔日遠山村与五右衛門から犬ホイ森の嘉兵衛に譲渡すについて、拙者念仏、トキハ参拾八より六拾参まで弐拾五年相勤めたが、踊りの伝承が困難になったため、遠山村の剣舞後継者として嘉兵衛殿にこの巻物を進上ス」とあるという。
また、「念仏踊秘伝書」にはこうあります。
「そもそも念仏踊りの由来 往昔、釈迦牟尼如来座辻の往時、愚の衆生済度の方便に、お弟子たちは南無阿弥陀仏と唱え、踊り給うより始まるなり。まづ踊りの節は、三拍子は弥陀と観音・勢至の三尊、五拍子は五智の如来、七拍子は過去七仏を拍し給う。十三は十三仏、三十三は普陀楽三十三観音を心にこめ給う。
しこうして皆南無阿弥陀仏と口誦し踊る。その時、愚智無智の老小男女是を見る時、余念を忘れ且つまた南無阿弥陀仏と心を寄する故に、盆はすなわち仏法修行の節なるにより盆踊りと始まるものなり
南無阿弥陀仏」
踊の構成は、太夫、世話役を先頭に太鼓1人、鉦2人、ササラ2人、ツボケ2~5人、唐団扇2~4人、大笠の順に「歩き調子」で練り歩き、途中の橋や供養碑などに回向し、依頼者の家で庭誉め、家誉め等をしてから庭入りして踊る。
ササラ摺りと鉦打ちの悪霊を薙ぎ払いながら鎮魂するような踊が秀逸です
十三拍子で子供たちの回り胴の曲打ちです。
最後は大笠です。
これは花やすらいの花傘がルーツともいわれ、笠の上部中央に三重塔がすえられ、その四方に鳥居が立てられるが、これを発心、修行、菩提、涅槃の四ツ門としている。重さは30kg程もあるというから、これを回しながら舞うのは相当の体力がいる。
舞手は「ただの郷土芸能ではない、先祖供養と思えば力が入る」という。
時宗一遍の踊躍念仏に起源をもつ岩手の念仏踊には、素朴さとともにしっかりとした信仰心に裏付けられた美しさがあると思う。
動画でどうぞ。
