吉田浜獅子舞 門付け風景
さて本日は、先週日曜日に涌谷町の古式獅子舞を見て、その後矢継ぎ早に七ヶ浜町へと直行して、かねてより採訪を目論んでいた吉田浜獅子舞の追っかけをしたリポートです。
この吉田浜獅子舞の詳細は、3年前に仙台市のイベント「伊達な杜舞台」で上演した際の当ブログもご参照ください。
→http://maturinookkake.blog.fc2.com/blog-entry-508.html
吉田浜は宮城県宮城郡七ヶ浜町の塩竃湾に面した半島にあり、塩釜神社の末社である吉田神社がある。
毎年旧暦3月17日の吉田神社の祭礼に吉田浜獅子舞が奉納されるが、その日は神社での奉納と直会だけで終わる。
近年の吉田浜は漁師家庭よりもサラリーマン家庭が増えたため、1日掛けて門付して歩くには土日でなければ不可能となり、吉田神社での祭日後直近の日曜日に行うようになった。
それにしても、門付けにはやはり海を臨む風景がよく似合う。
この日の大筋はこうだ。
朝の6時に吉田神社に集合参拝し、一舞して6時半頃に出発する。
その後、二頭の獅子が二手に分かれて吉田の集落を上(高台)と下(浜)へと繰り出す。
この日は、黒色獅子頭で緑色の幌幕を付けた組を追いました・・・というと、準備万端の採訪になりますが、実態はとりあえず吉田神社に行って宮司に聞けばなんとかなるだろうという行動でしたが、運良く神社下に差し掛かったところで太鼓の音が聞こえてきたので、その方向へと走って行って何とか遭遇した次第です。(これを称して無計画という)
閑話休題
1軒の門付けが終わると、次の家に向かう・・・って、ほとんど隣家です。まさに一軒一軒の門付けです。
後日、保存会の方と電話で話したインタビューから
吉田浜獅子舞が行われるのは
・1月最終日曜日の春季例祭
・七ヶ浜国際村のお正月イベント
・7月の塩釜港祭り
・地区の夏祭り
なのだそうです。
特に今年の鹽竈神社の夏祭りにはしばらくぶりで招待されているということなので、必見です。
吉田浜獅子舞は明治の初め頃に大曲浜(東松島市)から伝わったとされる。
獅子舞は大漁祈願、家内安全、悪魔祓いを祈念し、神社を出発して吉田浜地区内を門付して歩く。
吉田浜では先の震災で250戸のうち28世帯が流され、高台移転等が計画されている。
吉田浜獅子舞は、隣村である矢本町に伝承される大曲獅子舞の流れであるという。
神社付属の春祈祷の獅子舞ではあるが、冒頭に「タンブツ」という田植の予祝唄が歌われるのが陸前浜地方の特徴だ。
ここ吉田浜獅子舞でも、最初に歌かけが「正月の悪魔祓い、一万一千八百人ばかりまかりこしました」とかけてから舞い始める。
これは、春になっての田植の予祝祈祷を表している。
浜なのに田植予祝とは、と思えるが実はここに陸前浜の獅子舞の謎が隠されている。
その解答はいずれ後日記述することといたします。
場所はここです。
動画でどうぞ。
