宮城県涌谷町 古式獅子舞 光明院上演
さて本日は、4月の24日に訪問した宮城県遠田郡涌谷町に伝承される「古式獅子舞」の見聞記です。
涌谷には、箟岳の祭事等に興味があり、何度となく訪れていたが、この地には周辺地域には無い獅子舞があるということを聞き、いつか訪れて見たいと思っていた。
宮城県北部の獅子舞というと、沿岸部を中心とする熊野修験系の悪魔祓いの獅子舞と、仙台を中心とする延年・舞楽に端を発する獅子舞とが有る。
古式と名を冠するこの涌谷の獅子舞は、その何れでもない。
<画像は光明院>
そは言うものの、黒赤の雌雄二頭の獅子が出て悪魔祓いをする様は正に太神楽であり、それに田楽風に稚児がついたものと思われる。
文献には「涌谷町古式獅子舞は、天文21年(1552)から受け継がれてきたと伝えられる涌谷町無形民俗文化財で、妙見宮やわくや桜まつりなどで演舞することを中心に活動しています。色とりどりの衣装をまとい、化粧をしたお稚児が2頭の獅子をあやす舞は、美しくかつ楽しげです。」
とありますが、この獅子は黒い幌幕に日月妙見宮の紋所を染め抜き、二頭の舞と獅子あやしがつく形態となっている。
これは、鎌倉以後に東北地方に移った妙見信仰の関東武士が伝えたものと推量される。
そして、獅子の背中に稚児を載せて舞うのは太神楽の様式を取り入れたもので、近似するものとしては宮城県南地方の十二座神楽の獅子舞や、三陸沿岸の虎舞等である。
尤も、こちらの古式獅子舞では、獅子の背に乗るのは文殊菩薩の表れであるとしている。
獅子児が獅子の背中に乗って獅子あやしとともに円形に巡って踊りながら終わるわけだが、最後に二頭が頭を合わせる。
この辺もやはり太神楽の流れといえる。
最後は皆で記念写真・・・後ろの楼門が笑顔の顔に見える
ということで、この祭りのデータは4月の第4日曜日に開催
11:00 涌谷公民館
11:20 光明院演舞
11:50 ひだまり広場 涌谷第一小学校付近
12:40 城山公園
動画でどうぞ。
