熊野堂舞楽 稚児の舞
さて本日は、熊野堂舞楽で稚児の舞についてです。
この舞については当日パンフレットから
「二人の稚児が瓔珞を付け素手で舞う。二柱の神から生まれた可愛い稚児の可憐さが漂う舞である。小学一年~四年くらいの子どもである。」
とあります。
また、稿本「奥州名所図絵 名取郡之六」の記述ではにこう記されている。
「みたらしは 拝殿の前にあり 池中に一嶋あり 上に祠を置く 弁天堂という 池上に舞台を構ふ 神事の時に一舞あり是を児舞と号し甚だ古雅なり」
熊野堂の舞楽は、江戸時代までは山形県高畠町の阿久津八幡神社の楽人が勤めていたとのことである。
その阿久津八幡神社の春の例祭では倭舞が行われ、秋の例祭では舞楽が奉納され、いづれも南北朝期からのものと言われている。
阿久津を始め、山形の舞楽・延年での演目の多くは男児によって行われる。故に先の奥州名所図絵の記述にある「児舞」とはこのことをさすものと思われる。
何はともあれ、緩やかな楽調に合わせて優雅に舞う様は、春の花祭りの御法楽に相応しい。
動画でどうぞ。
