熊野堂神楽 獅子舞
さて本日は、宮城県名取市熊野堂に鎮座する熊野神社春季例大祭から熊野堂神楽の最後の演目獅子舞です。
春季例大祭ではこの後に舞楽もあるので、神楽は全部上演される訳でなく、その日のダイジェストとなります。
この日は獅子舞で納めますが、お天気もよくぞここまでもってくれました・・・という感じでした。
で、神楽ですが、熊野堂神楽の十二座番組は次の通りです。
1、四方拝の舞
2、神招の舞
3、国鎮の舞
4、真榊の舞
5、注連切りの舞
6,翁の舞
7、天魔弓の舞
8、種播の舞
9、魚釣の舞
10、庭鎮めの舞
11、三剣の舞
12、獅子舞
番外 巫女舞
となっています。
ところで、こちらの番組を知らせるメクリは、なかなか趣があります。昔は皆こんな感じでした。
さて、演目の獅子舞は、注釈で大山祇命の舞としています。
宮城県の中でも仙台周辺に伝承される三輪流法印神楽と同様に獅子とそれを統御するかのような道化役が演ずる内容になっています。
ところで、こちらの神楽では非常に稀有な太鼓を使います。
これは「いびつ太鼓」とも「ひしゃげ太鼓」とも呼ばれてきた変わった形の太鼓であります。
これがどういう経過で異形の太鼓を用いることに至ったのかは不明であるが、その音調子は至って風雅である。
そして、それまでの演目ではこのいびつ太鼓と締め太鼓を二人の楽師が叩いていたが、この獅子舞に至っては画像のように一人で奏する設置に変わっている。
これは何を意味するのかは不明だが、獅子舞だけは太神楽の影響を残しているといえなくもない。おそらく明治維新以後にこのようになったのではあるまいか。
ここの獅子は、耳が可動式で頭に宝珠を頂く。
十二座神楽の獅子舞は、神的な力を備えてはいるが、獣としての性格ももっているため、獅子あやしに統御されたり諌められたりするさまが舞踊に表現されていることが多い。
それ故に見る側の獅子に対する親近感が強く、馴染みやすい神様として崇められている。
獅子のユーモラスな顔立ちとは別に、その神格が尊ばれているために、諸願成就の利益を現出させる神として崇められているのだろう。
動画でどうぞ。
