和賀大乗神楽 天王@第16回慶昌寺公演
さて本日は、第16回慶昌寺公演から天王です。
舞手は菊池均さん小原忍さんが演じます。
演目の内容は、平神楽(普段の上演)では演じられず、大乗会や特別な機会だけに上演されるということです。
演目の「天王」とは「牛頭天王=素戔嗚尊」という信仰解釈から素戔嗚尊の娶り放浪譚を基にしています。
大乗神楽の「天王」の内容は、牛頭天王の本地を大権薩埵霊大神とし、世に八つの太陽が光り人間が煩っていたため今帝が差し出した矢で射て打ち払ったというものです。
これは、陸前浜の法印神楽の五矢に相当するもので、筋書きもほぼ一致しています。
早池峰神楽系統の天王舞も牛頭天王の説話を基にしているが、神楽の筋立ては大分違います。
先に牛頭天王が一人で出て舞い、一度幕に入る。
そして、幕内から蘇民将来伝説にまつわる話を述べる。
次いで、牛頭天王と今帝が幕より出て、今帝が東西南北と中央の日を射落とす由来を語る。
舞手自らがこれほど長く言い立てをするのは珍しく、南部神楽の基をみるような気持ちです。
牛頭天王と今帝が悪難排除や献酒の問答をする。
東の日を落とすと首は寅で胴が卯であったのでこれを寅卯の守護神とした。
南を撃ち落とすと首は巳で胴が午であったので巳午の守護神とした。
さらに西を射落とせば、申と酉であつたので申酉の守護神とし、北は亥子の体だったので亥子の守護神とした。
中央からは变化の鳥が落ちて虚空に日の神が現れ衆生に和やかな日を与え、病がみんな治った。
(この筋立ては中国の射日神話を基にしたものと思われます)
最後は二人の御神楽で舞い納める。
動画でどうぞ。
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