南沢神楽 魔王退治@第31回一関民俗芸能祭
さて本日は、第31回一関民俗芸能祭から南沢神楽さんで魔王退治です。
その前に、南沢神楽さんの由来について
「明治初期、市野々に本郷神楽が組織され、市野々神楽の本流となったが昭和初期衰退した。
昭和一五年、金野米右エ門が宮元になり、本郷神楽の千葉秀雄師匠を招き神楽の指導を受け、南沢神楽を創設した。戦前は蘇武運一郎師匠が、戦後は蘇武築登師匠が指導に当り現在に到っている。
初代宮元金野米右エ門、二代佐藤匡美、三代蘇武栄、四代蘇武秋男である。
蘇武運一郎は神楽の師匠であると同時に神楽面師でもある。また、岩手県南宮城県北神楽大会の審査員を二○年にわたり勤め感謝状を授けている。」
とありますが、現在の代表は佐藤耕三さんです。
この日の胴取りは佐藤京子さんです。
最近ではこの魔王退治を上演する団体が少なくなりました。
しかしながら、この演目は法印神楽の演目が基底になっており、貴重な演目と言えます。(道化も)
法印神楽では、最初に知驚(ツケ)が出て、天照大神が治める豊葦原瑞穂国に魔民が悪事をなしていることを述べます。
南沢神楽では、この役割を天児屋根命が演じています。
さて、冒頭からサンヤ拍子にのって道化姿の三人の魔物が現れて色々やります。
魔物は国中を荒らしたということですから、会場にまで乱入し、挙句には腰に下げた袋からお菓子などを撒いたりいたします。
舞台に戻ると、魔物は天児屋根命にも種々の妨げをなす! ということです。会場は大爆笑ですが。
天児屋根命は堪らず 〽 いかに 素戔嗚尊なきかようのう と呼び出します。
素戔嗚尊
〽 いかに大魔王幾千万来たって妨げをなすとも、我盡力をもって退治致すなり 例え地を分け降るとも追いかけ追いかけ退治致すなり 心やすかるべきやのう
そして、退治された魔物たちは「御赦免、御赦免」と言って約束の手形を残して消えていきます。
最後の素戔嗚尊の力みも必見です。南沢神楽さんこれからも演目復活よろしくお願いします。
動画でどうぞ。
