犬吠森念仏剣舞@第54回紫波町郷土芸能祭
本日は、第54回紫波町郷土芸能祭から犬吠森(いぬほえもり)念仏剣舞です。
犬吠森念仏剣舞は、大念仏系の念仏剣舞で、盛岡周辺の念仏剣舞の源流の一つとして県指定文化財となっている。
伝書の回向歌本の奥書に「元禄6年(1693)8月朔日遠山村与五右衛門から犬ホイ森の嘉兵衛に譲渡すについて、拙者念仏、トキハ参拾八より六拾参まで弐拾五年相勤めたが、踊りの伝承が困難になったため、遠山村の剣舞後継者として嘉兵衛殿にこの巻物を進上ス」とあるという。
盛岡市には数カ所大念仏の剣舞が伝承されているが、紫波町内で現存するのはここだけです。
踊の構成は、太夫、世話役を先頭に太鼓1人、鉦2人、ササラ2人、ツボケ2~5人、唐団扇2~4人、大笠の順に「歩き調子」で練り歩き、途中の橋や供養碑などに回向し、依頼者の家で庭誉め、家誉め等をしてから庭入りして踊る。
ササラ摺りと鉦打ちの悪霊を薙ぎ払いながら鎮魂するような踊が秀逸です
十三拍子で子供たちの回り胴の曲打ちです。
最後は大笠です。
これは花やすらいの花傘がルーツともいわれ、笠の上部中央に三重塔がすえられ、その四方に鳥居が立てられるが、これを発心、修行、菩提、涅槃の四ツ門としている。重さは30kg程もあるというから、これを回しながら舞うのは相当の体力がいる。
舞手は「ただの郷土芸能ではない、先祖供養と思えば力が入る」という。
時宗一遍の踊躍念仏に起源をもつ岩手の念仏踊には、素朴さとともにしっかりとした信仰心に裏付けられた美しさがあると思う。
動画でどうぞ。
