栗原神楽 牛若丸母との別れの場@第36回尾松地区神楽鑑賞会
さて、本日は第36回尾松地区神楽鑑賞会から大トリの栗原神楽さんによります「牛若丸母との別れの場」です。
この演目は、この日の3つ前に同じく栗原神楽さんにより演じられた「牛若丸鞍馬山修行の場」の続きとなっているようです。
筋立てを当日のチラシより掲載します。
「母親に許しを請うため、平家方の館に四条室町羅漢堂の住職少進と共に闇に紛れて忍び入り、母常盤と涙の対面をするが、父の菩提を弔う身だから鞍馬山に戻るように諭します。
しかし牛若丸は平家方を減ぼし、父の仇も討つことを訴え許しを請います。また、少進も元の武士の姿となり加勢することを誓います。
決意の堅い牛若丸をついに常盤は許し、常盤が父母の形見を与えて奥州に向う牛若丸を見送る場面です。」
ということです。
羅漢堂の住職少進です。(コージ君コワがうまいですね。拍手がおこりましたよ)
この少進という人物は、牛若丸の父義朝の乳母子の子で鎌田正近である。
義朝が長田庄司に裏切られ殺された後、この正近も殺されそうになったが母方の縁者に匿われ十九才で元服し、二十一才で出家した。諸国を修行して歩いたのちに京へ帰り着いたが、平家の繁栄を間近にみるに及んで源氏の再興を願うようになったということです。
少進坊と牛若丸の訪問を知って常盤御前が出て来ます。
佐藤代表の姫舞です。うまいね~。
実はこの少進坊は、かねてより平家方の隆盛を見るにつけホゾを噛む思いでいたところに、鞍馬山に牛若丸がいると聞いて鞍馬山に行き牛若丸に身の上の事実を告げたということのようです。
牛若の耳に口を当てて
「君は清和天皇の十代の末裔左馬頭の御子でございます。私は頭殿の乳母子鎌田次郎の子でございます。ご一族の方々が各所に押し込められていることを悔しいとは思いませんか。」と囁く。
それから牛若丸は源氏再興に志を傾けたということです。
がしかし、常盤御前は牛若丸出陣に許しを出しません。
それは当然のことですね。牛若丸が奥州平泉に依拠する藤原氏と共に出兵したら、今は平清盛に身を寄せている母常盤御前とは敵方になってしまいます。
しかしながら、牛若丸に源氏再興の夢を託したというこでしょう、常盤御前は牛若丸の決意を許して、父母からの形見を授けて牛若丸の出立を見送るのでした。
動画でどうぞ。
