平組梯子虎舞 熊野神社式年大祭
さて、本日も小細浦熊野神社式年大祭からですが、昨日までは権現舞を取り上げましたが、ここからは虎舞になります。
とはいえ、平組のはしご虎舞ですが、これも往古は獅子舞であったようです。
由来について「大船渡の民俗芸能」誌他から引用しますと
「熊野神社には昔、紀伊国東牟婁郡から来た修験者が獅子頭を納めたとあり、それをもとに宝暦年に平部落の彫刻師が虎頭に作り直したという。更に、文政年間になって平部落の東四郎屋留蔵と川口屋礒五郎の両名が、従来の踊りを改良して現在のような舞振りにした。」
ということです。
気仙地方には、梯子を使う虎舞はいくつかありま、そのルーツは慶長年間に葛西氏家臣の新沼善太郎が立根村(現大船渡市立根町)に伝えたとあり、そこから気仙地方に広がった、平組と隣地域の根岬の虎舞はその代表格と言え、他には気仙沼の唐桑や浪板、陸前高田市の竹駒、更には遠野市の暮坪にも伝承されています。
権現舞とは、囃子の拍子が違いますが、なんといっても囃子方の人数が多く華やかな演奏となっているのが、いかにも虎舞らしく風流芸の様相です。
舞の演目としては、道中の「通り」と、地面の上で舞う「地舞」そして梯子の上での「はしご舞」がある。
梯子は、登り口となる「小梯子」、横に進むための「横梯子」、その先に仰角度に立てられた17mの「立て梯子」を神社の境内に組み立てます。
サイブッコフリと呼ばれる獅子あやしが先に梯子に登り、その後を虎が追いかけるように踊りながら梯子を登っていきます。
平地域は比較的高台にあるため、津波の被害は無かったとのことです。しかし、地域は大きな被害を蒙り、暮らしや仕事には多大な影響があった。
前回の式年大祭は2011年にあたっていたが、東日本大震災の影響で取り止めとなったため、今回は8年ぶりの開催ということでした。
祭りの担い手の高齢化等の問題や、手踊が出せなかったりといった規模を縮小しての開催でしたが、祭り場での人々は笑顔が溢れていたのが印象的でした。
動画でどうぞ。
