南下幅念仏剣舞 回向念仏・カッカタ@第25回いさわ伝承芸能まつり
さて、本日からは11月26日に行われました第25回いさわ伝承芸能まつり&第49回胆沢郷土芸能まつりからのリポートとなります。
午前の部から南下幅念仏剣舞さんの回向とカッカタ踊についてです。
その前に、南下幅念仏剣舞の由来について
「巻物園鏡傅によると、大同三年、出羽の国 羽黒山峰中権大僧都善光院の法印が荒沢鬼渡大明神の御堂にこもり念佛勤行をしている時、ある夜こつ然と二人の老翁が現れて「衆生済度の近道は舞踊の面白さを知らしめた上に導くことにある」と諭された。それに対し彼の法印は「しからば教えて候らえ」と申し上げたところ、一人は座して歌い囃し、一人は立ちて踊り始めた。伝授し終わると二人の姿は虚空に消えて見えなくなった。とあり、この踊りこそ念仏剣舞の始まりとされている。
以来絶やすことなく保存会を結成し伝承されている。胆沢区内では、八団体の剣舞が指定されているが、他の団体と比し一般的にテンポがゆったりしており、それだけ「力み」があると言われている。」
とありますが、現庭元は高橋孝さんです。
南下幅念仏剣舞は伝書は失われたものの寛政年3年に文化14年に渡辺甚四郎から卵太郎に伝授され、以降連綿と伝承されてきたということです。源流は衣川の高館物怪といわれ、他の胆沢の念仏剣舞と同じく念仏胴取りとカッカタがつくことが特徴です。
唱歌掛けは代表の村上厚志さんです。
最初に回向の念仏から始まります。
光明遍照十方世界 念仏衆生摂取不捨 発菩提心 往生安楽国
この日は跳ね胴が二組です
次に、.南下幅念仏剣舞としては50年ぶりに上演することとなった「カッカタ」についてです。
カッカタは衣川の川西念仏剣舞ではサルコと呼ばれ、高館で滅んだ源義経主従の亡霊が暴れまわった時に、猿の姿で踊りながら亡霊を済度させた釈迦如来の化身とされています。
「胆沢の民俗芸能」誌によれば、現庭元の高橋孝さんが、昭和22年踊り組としてカッカタ役に名を連ねています。
つまり高橋孝さんが10歳ぐらいの時にカッカタを踊っていたわけです。
庭元は「南下幅念仏剣舞18演目のうち唯一継承していなかった、剣舞歴70年の全てを後進に託したい」と若手に伝授してこの日の披露となりました。
演目の中では、呪法とともに道化所作もあり、また五穀豊穣子孫繁栄を願う舞もありました。
そして、交差した二本の金剛杖の間を踏んで跳ね踊る。
最後にキメで終わります。 感動的な舞台でした。
動画でどうぞ。
