外山鹿踊 @ 第54回北上みちのく芸能まつり
さて、本日は第54回北上・みちのく芸能まつりから外山鹿踊についてです。
外山鹿踊は釜石市鵜住居地区の新川原地区に伝承されるカンナガラ系の鹿踊です。
「由来は今から100年ほど前、外山の川崎永蔵に砂子畑の小笠原喜左衛門が山の神の宴の折に教えたとされています。」
外山へ伝授した砂子畑の鹿踊は閉伊郡海浜部の鹿踊系統第一基点ともいえる神の沢鹿踊から伝承されたことのようです。
その外山鹿踊ですが、伝承は比較的新しいものの、舞方は荒々しく勇壮なものになっています。第二基点とも言える大槌の鹿踊に近い感じがしますので、伝承過程がうかがい知ることができます。
刀振りの所作が大きく勇壮なのは神楽との習合も考えられるが、両手に付けた五行色の長い布はもともとクジだったのではと思わせる。
小切りの後に役踊りの綱がかりが演じられた。
それまで、丸太に腰掛けていた二匹の役鹿(太夫鹿)が、水平に張られた綱に絡む所作をする。
外山鹿踊では役鹿同士の角突き合わせは無く、二匹で綱の安全なことを確かめてネリの唄がかかり引羽へと移る。
震災以降はからずも注目されるようになった鵜住居地区の鹿踊群であるが、江戸時代の東廻り航路開発とともに関東(房州、遠州)との交流が深まったとみられる三陸沿岸の芸能の研究は、これから多様な探求がすすむものと期待します。
そしてそれが、三陸沿岸の復興にもつながればと願います。
動画でどうぞ。
