鳥海山日立舞 吉田 @東北六魂祭郷土芸能ステージ
さて、本日は東北六魂祭郷土芸能ステージより鳥海山日立舞の吉田について
鳥海山日立舞は旧象潟町横岡(現にかほ市象潟町)に伝わる番楽で、横岡番楽とも横岡獅子舞とも言う。
日立舞の名称の由来は不明とのことだが、伝承については二つの説があり、一つは讃岐生駒氏が転封により出羽国由利郡矢島へ来た際に、領主を慕って讃岐からついてきた能楽師が伝えたというもの。
もうひとつの伝承では由利本荘市下百宅(しもももやけ)(旧鳥海町)の文平という人物が横岡の若者たちに請われて伝授したという説がある。これを裏付けるように横岡、百宅の両方で同じ伝承があることから、本海番楽の系譜を引くものであろうと思われるということだ。
横岡集落ではこの番楽を「作祭り」として重要なものとし、7月1日の神降ろしから稽古を始め、8月13日は三太郎、14日は清五郎、15日は次郎作といい、15日を本舞とする。9月1日には神送りといってもう一度番楽をするという。
伝承される演目は、番楽、翁、吉田、熊谷、信夫太郎、猿番楽、三人立、太郎太郎、堀川、一人餅搗、影清、ゆらゆら、屋島、団七、さつま、空臼からみ となっている。
番楽から吉田までは必ず順番に舞い、最後は空臼からみで終える。
この日の演目は「吉田」「屋島路」「団七」であった。
日立舞では特に翁の舞が優れていると言われ、吉田は翁に対する三番叟に相応する。
幕だしは 〽 鶴と亀とのたわむれにて 幸い心にまかせたり ヨイサッササッサ
烏帽子に黒尉面をつけ、扇を採って後ろ向きで出てくる。吉田とは三番叟のことで、翁は白面で舞うのにに対し、吉田は黒尉面となっている。
一舞した後、言い立てとなる
オーサイヤ オーサイヤ祈祷舞候 ヤイ 祈祷舞での御利生には久しい事を申そうや
イヤイヤ 久しい事にとうりては 目出度いことを申そうや
イヤイヤ 目出度いことにとうりては 先に舞ったる翁は色も白く背も高く 百五萬歳経たる翁のにて候
イヤイヤ 只今舞いたる三番 叟は 色も黒く背も低く 百五萬歳経たる三番申楽の事にて候
・・・・・・
イヤイヤ 我等が拍子と申するは 鹿島で習うは鹿島拍子 三島で習うは三島拍子
イヤイヤ 上の拍子も八拍子 下の拍子も八拍子 合して十六拍子 御囃子
鶴と亀とカンマクレて サイサイ心に任したり ヨイサ ヨイサ ヨイヤッササノサ
動画でどうぞ。
