雄勝法印神楽 醜女退治@おがつの芸祭 鼓舞
さて、本日は雄勝法印神楽の演目十一番の醜女(きじょ)退治について
この演目は夜神楽で舞われることが多いので、イベント等の昼の舞台ではあまり行われていなかったということです。
今回は、要望があったことと、若い神楽衆にもこの演目を行う機会をということで、あえて昼神楽での上演となったということです。
醜女退治は、本吉代々法印神楽はじめ他の法印神楽での演目内容は、伊弉諾が黄泉の国へ行った伊弉冊を取り戻そうとして、見てはならない醜い姿を見てしまったがために沢山の醜女に追われるが法力により退治するという内容になっています。
雄勝法印神楽では、他の法印神楽とは多少話の筋が違っています。
先に、伊弉冊の尊が出て御神楽を舞い、直ぐに幕に入ります。
次いで、道化の拍子によって四人の道化面をつけた神々が出てきます。
これら四人の神は伊奘諾尊・伊奘冉尊によって生まれた木の神、金の神、水の神、土の神で、道化話ながら陰陽五行の理を説く内容になっています。
赤い采をつけたのは金の神、黄色の采に黒面をつけたのは土の神で我がいなければ作物が育たないと自慢します。
次に青い采に青面をつけた水の神は作物も水がなければ育たないといい、黒采に緑面をつけた木の神は家も柱も木が無くては話にならないと言います。
そこへ火の玉が降って来て、火の神が居ないことに気付き、四神が順に火の神を探しに行くことになりました。、
ひとりずつ恐る恐る幕の中を覗いては仰天して帰ってきます。
最後には醜女が火の神に化けて出て四神に襲いかかります。
この辺の、伊弉冊の姿を覗いたがために醜女に襲われてしまうという筋立ては他の法印神楽の醜女退治に対応しているようで、いかにもという感じです。
そこへ賽の神が醜女を追ってでて、四神を守り、醜女を退治するという舞です。
塞の神は村々の境の守護神で、外敵や魔物の侵入から村の住民を守るという信仰に基づくものであろうと思います。
この演目で、冒頭に姫舞が一舞して幕に入りましたが、本来は高舞台に屏風を回した中に入り、その屏風の中を四神がおっかなびっくりと覗くところが山場ということです。
今度は、やはり夜神楽でじっくりと見たいと思います。
動画でどうぞ。
