大石虎舞@釜石さくら祭り2015
さて本日は、常龍山天照御祖神社の式年大祭御神輿渡御式より大石虎舞についてです。
このお祭りは唐丹町を挙げての春祭りで本来は片岸地区の天照御祖神社から出御した御神輿が本郷地区の御旅所まで神幸し、桜並木の本郷街道を供奉行列が華やかに練り歩く盛大な祭りでした。
震災後初となる今年の祭りでは、御神輿のお通りルートが復興工事の関係でやむなく短縮せざるを得なくなり、御旅所を小白浜の岸壁に変更しての報賽となりました。
次の式年大祭の時までには唐丹がどのように復興していくのか楽しみな面もあります。
さて、大石虎舞について芸能の紹介が祭りパンフレットにありましたので掲載します。
「慶長年間奥州の豪族葛西三郎の家臣であった、新沼善次郎が気仙の立根に伝えたのが始めという。虎舞はその乱拍子とともに頭の揺れ動き、その演技のいかんにより、その年の豊凶を占うとされ、災厄を払つて豊漁をもたらすという、心意の働いているものと言われる。和藤内が虎の背にまたがって。「天照皇太神宮」の神札をかかげるところは獅子舞の根源である伊勢信仰が反映しているものと思われる。舞は2部に分かれ、1部は「笹踊り」猛虎を奪い合う場面。2部は「御神楽」猛虎を承服させ、敵軍を家来にして御祝をする場面。」
とあります。
烏帽子に「N」のイニシャルがあるのが師匠。
大石地区は唐丹町の中心である小白浜地区から南東の岬にあるこじんまりとした集落で、古くから漁業と林業で生業を形成してきた地域です。
しかし、ここでも少子高齢化が進み、虎舞の継承が困難になっていました。
そして、小白浜地区には三嶋の虎で知られる小白浜虎舞があり、地元の唐丹中学校の文化祭等では唐丹の虎舞として小白浜虎舞が披露されてきましたが、現在は活動を休止しています。
そんな中で、大石の虎舞を無くしてはならないということから、唐丹中学校の生徒が大石虎舞の伝承を担うことが昨年に決まり、今年の桜祭りでのご披露となったわけです。
実に感慨深いことです。涙が出ます。
大石の虎舞は和藤内が付く。面白いことに、山田町から旧三陸町までの地域にある虎舞では和藤内が組み入れられているか否かが混在している。どのような伝播を遂げたのかは謎であるが、おそらく人と人との交流の系統で違いが生じたのではと推察します。諸兄のご賢察はいかに。
そんなことよりも、この日何より感動したのは、大石虎舞を伝承している子供たちの晴れやかな笑顔だった。
祭りのこの日も、小白浜地区では新築の家、それから私がさんざんお世話になった山崎旅館も建築工事の真っ最中でした。
唐丹の未来はこれから発進する、そんな感慨を抱いて懐かしい祭りを眺めた一日でした。
動画でどうぞ。
