常龍山御神楽@釜石さくら祭り2015
去る4月26日に岩手県釜石市唐丹町鎮座の常龍山天照御祖神社で三年に一度開催される「式年大祭御神輿渡御式」に行ってまいりました。
私は当日の10時の神事から観覧しましたが、前日には宵宮があり、小白浜鎮座の西ノ宮神社の神輿と本郷鎮座の大杉神社の御神輿が御迎えに天照御祖神社に来て拝殿内にお泊りになっているということでした。
そして、神事が終わると境内で待ち構えていた神輿行列に供奉する地元唐丹の芸能が神前で奉納を始めます。
最初に奉納したのは、天照御祖神社の鎮座する地元の片岸地区に伝承されている「常龍山御神楽」です。
この芸能は1980年3月28日に釜石市指定の無形文化財となったものです。
もともとは「片岸御神楽」といい、常龍山大権現といわれ現在では天照御祖神社に奉納され、「権現さま」と称する獅子頭を持つて舞う踊りです。御神楽に奉持される「権現さま」は初め「岩乃沢権現」といわれ、赤獅子頭であつたのを、1626年に常龍山に安置され「常龍山権現」として奉持されるようになり、大津波や凶作、悪疫の流行の時、この「権現さま」を持ちだし、危難払いのために舞ったのがその始めであるといわれるということです。
この祭は三年に一度の式年大祭ということで、前回は2012年が開催年でしたが、震災被害が甚大だったため神事のみで神賑が見送られたということで、今回が復興の祭ということになりました。
.天照御祖神社自体は小高い丘の上にあるため大きな被害はなかったものの、その麓の片岸地区はじめ小白浜、荒川、本郷、花露辺そして大石の氏子地区は大きな被害を受けて、祭開催の時点でも更地のままでした。
それでも、小白浜の町中では道沿いの宅地で新築の工事が始まっていて、少しづつではありますが復興へと進んでいるのが見えました。
そして、何より浜に活気を呼び戻すのが祭りの賑わいだと思います。
実は私はかつてこの町に4年ほど在住したことがあり、思い出も去ることながら、祭りを見ながら万感の思いが込み上げてきました。
ここでも少子高齢化の波が押し寄せ、民俗芸能の伝承もままならない団体もありますが、それでもこのようにしっかりと祭りに出てこられるような活力があることに敬意を表するものです。
長く見守っていきたいと思います。
動画でどうぞ。
場所はここです。
