小迫の延年4 御法楽付老女若女
さて本日は小迫の延年から御法楽付老女若女についてです。
この演目は小迫の延年の演目の最初に位置づけられています。
すなわち、献膳が行なわれて祭祀が始まった後に御法楽として行なわれる演目なのです。
神男が長床から御幣を捧げるお供に支えられながら芝舞台へと進みます。
延年の始まりを告げるこの演目は「御法楽付老女若女」とも「御法楽」ともいわれ、小迫の延年の開幕を宣言するものとなっています。
神男が土壇で巻物を広げて奏上します
「祭文 これあたる来る年号は平成27年4月5日、明日には豊坂に降り夕べには豊坂を降り、天には金の花開き、地には銀の茎立ち稔り、天地相合す。
実命の時、当山その間、宗徒の旧蹟俗士の諸衆今は一心清浄の誠を致し、・・・中略」
これは白山宮と十一面観音を讃える悪魔退散、五穀豊穣を祈願するものとなっています。
奏上している傍で、長床から二頭の馬に乗った老女若女が舞台に近づいてきます。
この時、白髪の老女(元妻)と黒髪の若女(裏女)が馬に乗って現れ、鉄漿や白粉を塗り髪をつくろいなが神男を誘惑しようと持ちかまえます。そして神男が祭文を読み終えて下りて来ると、馬から下りて神男にまとわり付いて我が物にしようと争いますが、最後に神男に髪をはぎ取られて長床へ入ります。
この無言劇は、白山宮の御神体御影向の神事を伝える寸劇であるといわれます。
白山宮の御神体が白色の大龍となって、この地に降臨して美麗の童子になりますが、古くからこの辺に住んでいた白蛇と烏蛇が、この山を神にとられること嘆き、老女と若女に化身して障碍をなした。 ´
お怒りになった神霊は白蛇と烏蛇を神社の下の花田ヶ池と龍蔵ケ巻に閉じ込めてしまったということです。
この演目の刻限になると、二匹の大蛇の祟なのか、天候が急変して何かと不思議な事が起こりました。それで、神のお告げで髪長清水から浮き出た翁面を付けて演じたところ障りがなくなったということです。
動画でどうぞ。
