和賀大乗神楽 帝童の追っかけ @ 慶昌寺公演
さて、本日は和賀大乗神楽さんの帝童+追っかけです。
大乗神楽には女舞として女性が主役となる演目として鐘巻、帝童、蕨折がありますが、帝童のにが一人舞で他のニ演目は執念ものとしての物語となっています。
帝童は竜女で本地仏は師士音仏で、後生での孝を願うものとされています。
幕山し歌は
〽 ようよう急ぎ行く程に 熊野参りの下降とて いざさらいでて 若子舞う
紫の地隠布で頭を包み、鉢巻、若女面、日輪のカンザシを付けて舞いでます。
ネリの部分では、女性の日常の仕草を舞踊化したともいえる独特の所作があり、掌を顔面にかざして舞う場面では
オカド(囃し方)が神歌をかけます
〽 「エヤラア 鏡見ろ見ろ鏡を見ればしながなおまさる 面白しおうせ エヤラア
この鏡を見ろというくだりは法印神楽にもあり、親の顔が恋しくば鏡をみればそこに親に似た顔があるという喩えです。
これは、仏典「百喩経」の中にもあるもので、日本では説話として伝わり、亡き親の顔を拝んで供養したいと願った親孝行の村人に領主が鏡を与え、「子は親に 似たるものをぞ 亡き人の 恋しきときは 鏡をぞ見よ」と書き贈ったというものです。
そこから孝女の物語としての帝童の演目にこの所作が取り入れたのではないかと思います。
さて、帝童が美しく舞っていると幕の隅から道化面の者がチラチラと顔を覗かせます。
ここからが「帝童の追っかけ(クズシ)」の部分となります。
モドキ(道化)が出て、帝童の真似をして面白おかしく舞います。
帝童が幕に入ると、先ほどの帝童を探してオカドに「(女を)出せじゃ出せじゃ」とせびる場面になり、その後は胴取りとの軽妙滑稽な展開となります。
道化は帝童を追て天竺の都まで出掛けますが果たして帝童に会うことができたのでしょうか・・・
動画でどうぞ。
