本中鶏舞 一関市立本寺中学校 @一関民俗芸能祭
さて、本日は第30回一関民俗芸能祭から本寺中学校の鶏舞についてです。
ところで、ここに1冊の本があります。
初刊は昭和52年3月18日 発行は当時の一関市立本寺中学校とあります。
当時一関市の山間部に位置する本寺中学校で、生徒の活動を活気あるものにと地元にある歴史文化を掘り起こした先生たちが記したものです。
その内容は、地元の伝説から始まり民話、人物譚、地象、観光そして文化伝承など多岐に渡り、生徒たちの研究成果も交えながらの力作となっています。
その中の66ページ目に「瑞山神楽」と題して一項が掲載されている
「藩政時代のこと、瑞山の里には何年間も旱魃がうち続き、水不足のため大層な凶作に見舞われていた。苦しい生活に困り果てた里人たちは集って相談し、国首三神を作神様として祀り、五穀豊穣を祈ることになった。
そんなある日、国首三神のお告げにあり、産女川から用水を引くことになった。里人たちはみな力を合わせて夜を徹してその難工事にあたり、三年余りの歳月の後に完成し、見事に用水が流れた。そのことに歓喜した里人たちは感謝の念よ神に届けとばかりに舞い踊ったのが鳥舞の始まりと言われています。」
ということで、本寺中学校はその学区が本寺地区、小猪岡地区、瑞山地区を包括していることから、かつてそれぞれの地区で伝承されてきた神楽を統合して編成した鶏舞を学校教育に取り入れている。
確かに中学生と言えどその舞ぶりには古雅な舞の手が感じられ、また舞方でも旋舞の中でしっかりと腰を落としての舞い降りが有るなど、他の学校神楽では希薄になった祈祷性というものが感じられる。
特に南部神楽をやっている団体の諸氏に願うことは、この中学生の鶏舞の動画を今一度じっくりと見ていただきたい。
省略されていること、復活させるべきこと、尊ぶべきこと等を思い起こして頂ければ幸いです。
動画でどうぞ。
