十三浜 小室の春祈祷
さて、本日は宮城県石巻市北上町十三浜の小室集落で行なわれました春祈祷についてです。
以前から志津川(現 南三陸町)波伝谷の春祈祷のことは関心があり、見に行きたいと思いながら、ついに見ることが出来なかったのですが、今回は大室の方の情報で北上町の十三浜の春祈祷を見る機会に恵まれました。
十三浜ではそれぞれの集落ごとに厄祓いの春祈祷があり、それぞれの縁日に従って斎行されてきたということですが、近年は勤め人や子供たちの参加を考えて日曜日実施に変わってきているということです。
ここ小室集落でも本来は小正月行事だったのでしょうが、建国記念の日に実施するようになり、現在は2月10日前の日曜日ということに変わってきているそうです。
春祈祷は正月を過ぎて春を迎える前に、厄祓いをする行事で、昔は種々の忌みごとや祈祷の行事が在ったようですが、今は獅子舞で祓いを行うことが主要になっているようです。
それでも、この先払い道具の示すように種々の厄や疫病などを打ち払う行事がなされていたものと思われます。
獅子舞は、集落巡幸に先立ってこの小室集落の鎮守である五十鈴神社で最初に奉納をします。
ちなみに、この写真に写っている先頭の僧侶は隣集落の寺の住職です。
ここでは神官を法印と呼び、神官に祓ってもらった後に僧侶にも悪魔祓いの祈祷をしてもらう、つまり神仏混交が根深く残っているということです。
いよいよ獅子舞の出番ですが、ここでも雌雄の獅子舞があり、片方は大人が、もう一方は子供たちが舞います。
囃子は宮太鼓が2つに笛が3人位つきます。
囃しの調子は陸前浜の獅子振りと共通です。
獅子舞の先導には塩撒きと椿の枝に木綿四手を付けたものを打ち払う役が歩きます。
ここ小室では集落の軒数は少ないのですが、一軒一軒を大切に祈祷して回るので、集落全部を廻る頃には春の日も落ちて暗闇となるそうです。
動画でどうぞ。
