鷹鳥屋神楽 八幡舞 @ 第22回遠野郷神楽共演会
本日は鷹鳥屋神楽さんの八幡舞についてです。
鷹鳥屋神楽さんの由来について
大迫の大償神楽の流れをくむ東和町向田瀬集落の神楽を明治初年に修得したのが長野神楽で、その神楽を大正12年に伝承したのが現在の形ということである。その後一時中断したが、昭和初年に松田愛蔵の先代が再度長野神楽から習得して復活し今に至る。
鷹鳥屋神楽さんは遠野市小友町に所在するので隣村の田瀬村経由で早池峰神楽が伝わったということですが、「遠野の郷土芸能上巻」鷹鳥屋神楽の項にこんなエピソードが書かれています。
松田愛蔵氏提供ということで「大償神楽と岳神楽の創始者は兄弟であって、大償神楽は兄が、岳神楽は弟がそれぞれ創めたものである。そして拍子、面等について兄弟が話し合って、拍子は大償神楽では七拍子、岳神楽では五拍子と決め、面は仁王像のうん、あを形どり、大償神楽はうんの閉口、岳神楽はあの開口の面を用いているという」
岳と大償の違いをそんなふうにして伝承してきたのだなと思うと感慨深い。
こちらの八幡舞は古雅で端正な舞となっている。
ところで、神楽幕に「篠神社」とあるが、これは鷹鳥屋集落の東に鎮座する篠権現社のことで、遠野物語拾遺56話に昔話として載っている。
「村の鎮守篠権現の境内で、遊び友達とかくれんぼに夢中になって いるうちに、中堂の姥神様の象の背後に入り込んだまま、いつの間 にか眠ってしまった。
すると、これやこれや起きろという声がするのでむ目を覚まして見ると、あたりはすっかり暗くなっており、自分は窮屈な姥神様の背中にもたれていた。
呼び起こしてくれたのは、この姥神様であった。外へ出ようと思っても、いつの間にか別当殿が錠を下ろして行ったものとみえ、扉が開かないので、仕方無しにそこの円柱にもたれて眠りかけるとまた姥神様が、これこれ起きろと起こしてくれるのであったが、疲れているので眼を開けてられなかった。こうして三度も姥神様に呼び起こされた。
その時、家の者や村人達が多勢で探しに来たのに見つけられて、家に連れ帰られたという…。」
姥神とは蛇神のことらしいが、小友の中心には巌龍神社があり龍神信仰の拠点であるが、こちらのご神体である不動巌にも昇竜が見られるという。
閑話休題 鷹鳥屋には獅子踊などもあり、芸能が集落の紐帯となっているようです。

動画でどうぞ。
