石上神楽 大蛇退治舞 @遠野郷神楽共演会
さて、本日は石上神楽さんの大蛇退治舞についてです。
その前に石上神楽さんの由来について「遠野の民俗芸能」等より
遠野市綾織町砂子沢に伝承されている神楽組で、初代の鈴木林之丞が明治初年に大出神楽から習得したということで、代々砂子沢地区内に鎮座する石上神社に奉斎する付属神楽ともなっている。終戦後に一時途絶えたが昭和の末に再度復活させて現在に至る。
式六番の他に八岐大蛇、天降り、松迎等の雑舞と称する16番を保持し、式舞を終えるまではいかなる時も他の舞を行うべからずとし、終わりには「シマイ」をなして権現舞を奉ずるという。
さて、演目の大蛇退治舞という名称ですが、遠野では二通りの名前があるそうで、大出・大償系統では大蛇退治、岳系統では稲田姫と呼んでいる。
遠野の神楽は岳・大償の早池峰神楽と大出早池峰神楽と遠野山伏神楽の系統が坩堝のように分布していてそれぞれ独特の趣を持っています。
稲田姫
手名椎足名椎夫婦と稲田姫の前に素盞嗚尊が現れ、弊で祓いながら大蛇退治の宣言をします。
大蛇は紫頭巾に蛇面を付けて、素盞嗚尊に襲いかかりますが、素盞嗚尊は弊で折伏し刀で切り払います。
めでたく大蛇退治が成就すると千代の御神楽を舞い、装束を改めて崩し舞となる。
岳大償の崩し舞とは違い、ゆっくりとしたテンポながら古雅な雰囲気を醸し出している。
更に最後のほうでは刀印を結びながら舞うなど修験の神楽の特徴をよく表していると思います。
動画でどうぞ。
