大崎八幡の能神楽 獅子取り舞
さて、本日は大崎八幡の能神楽の獅子取り舞についてです。
が、実は「奉奏神秘御神楽和歌指南抄」にはこの演目は載っていず、何時頃からこの舞が行われるようになったのかは判然としないようです。
尤も、大崎八幡宮神楽の基となった薬莱神楽では「除魔」という演目に続いて獅子愛子の舞が行われているので、或いは演目番組とは別にこの舞が行われていたという推測も成りたつ。(薬莱神楽の除魔についてはこちらを参照下さい⇒http://maturinookkake.blog.fc2.com/blog-date-20141125.html)
演目の最初は獅子取りが出て、舞台を巡る。
その後、幕内から獅子が出て獅子取りを追うように巡る。
太鼓の拍子が変わると獅子が獅子取りに襲いかかるような仕草を数度繰り返す
獅子取りは逃げ回りながら、本殿方向の壁によじ登り、柱に掴まりながらも獅子にちょっかいを出す振りをする。
その後に、獅子取りが泣く仕草をする。
そして五行幣を両手で揉みながら一巡りすると獅子が獅子取りに襲いかかるので、それを獅子取りが抑えこむ所作になる。
そして、赤い布で獅子を操り調伏した様を見せて幕に入る。
尚、この間の獅子に入る演者は、この神楽の神楽師が総勢で入れ替わりに舞うということである。
以上で、全演目を終えるわけであるが、仙台領内の法印神楽は古雅であるがその由来が判然としていない部分もあり、今後の研究に委ねられることが大きく存在する。
従来の視点ばかりでなく、他の芸能とも比較検証される中で解明・再評価されるならば、また新たな顕彰もされるのではないかと個人的には思うのである。
動画でどうぞ。
