稲荷田大権現 神降ろし
今日は平野部でも積雪があり、日中でも道路は圧雪凍結となりました。要するにさむい!
と、そんな中ですが本日は北下幅神楽の佐藤さんからのお招きで、奥州市水沢区稲荷田で継承されている稲荷田大権現の神降ろしの儀式に取材に行ってまいりました。
北下幅神楽さんに関しては度々紹介している通り、この地にあった葉場神楽を明治初期に千葉源五郎が習得して起こした胆沢地方の神楽の先駆けであります。
北下幅神楽に伝わる神楽台本「御神楽前数覚帳」にはすでに山伏神楽と法印神楽の双方のものと思われる演目が書かれてある。
しかしながら、大正初期までは下舞を伴った権現舞が踊られていたという言い伝えもあることから発祥段階では山伏神楽であったろうことが推測されます。
さて、稲荷田大権現ですが、これは北下幅神楽とは別物で伝承されていたということです。
しかしながら、神楽と権現舞とが同じ地区内にあったことから担い手が同じということもあって今日では神楽衆が権現舞も行うようになったということです。
権現様は千葉さん宅の神棚に保管されてあり、正月2日の巡幸に先駆けて毎年12月に神棚からおろして稽古に入る際に神事を斎行しているということです。ちなみに神事は鎮守府八幡宮さんの宮司さんが執り行いました。
この権現頭は舞手組五代の千葉運蔵作と言われており明治末期のものと思われます。
その前には火事で神楽道具一切が消失したことがあったため、それ以前から権現舞は行なわれてきたということです。
頭は早池峰神楽系統の権現様のように紙采が施されていますが、耳は可動式で舌は固定です。
なお、今回権現舞用に太鼓を新調したそうです。門付けして歩くには神楽用の太鼓は大きすぎるためなそうです。
神楽太鼓は馬皮ですが、こちらは牛皮なそうです。
舞そのものは一関地方の悪魔払いと同様の形式で、獅子愛子は付かないものの荒々しい舞となっています。
これで1月2日に早朝から夕方まで80軒ほどを門付けして廻るということなので、相当の体力がいります。
神降ろしが済むと、12月27日28日に北下幅分館で稽古をして、1月2日は朝7時30分から門付け巡幸をするということでしたので、それは後日取材して掲載したいと思います。
動画でどうぞ。
