南部神楽の式舞 シンポジウム
というわけで、本日は南部神楽関連の記事ですが、神楽実演ではなく南部神楽についての講演とシンポジウムを行ったという貴重なイベントを今一度見返したので、それについてです。
これは平成23年12月2日に奥州市衣川区にある南股地区センターにおいて開催されたもので、南部神楽の元となったであろうといわれる山伏神楽と法印神楽の式舞についての重要性を探ったというものです。
終戦後は特に式舞よりも娯楽性の高い劇舞が観客からもてはやされるようになり、本来重要な位置を占めていた式三番や式六番と言われる式舞(鶏舞、翁、三番叟、山の神舞、岩戸開き 等)が神楽舞台で演じられることが少なくなってきたといわれています。
そのことが、神楽の舞手たちが式舞を修得する機会減少ということにもつながってきていて、神楽師匠たちも危機感を覚えている。
しかしながら、劇舞は舞が比較的安易でありながら台詞さえ覚えれば神楽大会でもある程度の評価を得ることができるなど若い舞手には取り組みやすいという面があり、そのことが手次足踏みの複雑な式舞を敬遠させるもとになったということも指摘されている。
そんな中で、この年に劇舞が優勢といわれる宮城県栗原市の北辰神楽大会において、あえて翁舞と三番叟を演目に選んで出演した白浜神楽さんの意気込みが各地の神楽団体に伝わり、この度の式舞シンポジウムにつながったということです。
この時の神楽上演の模様は既に平成23年に当ブログに掲載しておりますが、今回はその中から、神楽師匠たちと民俗芸能研究者たちとのシンポジウムについて掲載します。
神楽師匠さんたちにはそれぞれ深い思い入れがあります。今とこれから、それらをどう継承させていくかが重要です。そして神楽を観る側も眼力が試されます。
舞の手の向こう側に何が見えるか・・・
この日のパネラーは白浜神楽の千葉良夫さん、狼ヶ志田神楽の高橋先雄さん、大原神楽の高橋末雄さん、小田代神楽の及川章さん、平泉郷土館(当時)の千葉信胤さん、橋本裕之教授で、コーディネーターは大森神楽の矢崎木綿子さんでした。
動画でどうぞ。
