中野神楽の撥車実演 @古内神楽上演会
さて、本日は古内神楽上演会に特別出演した宮城県栗原市の中野神楽の胴取さんの撥車についてです。
古内神楽は黒沢神楽系統ですが、鶏舞は山谷流を取り入れたりしたということから、同じ山谷流の中野神楽とも縁があるものと思われます。
そして、この日は上演会を企画した橋本教授のリクエストに応えて一関まで遠征してきたというところです。
中野神楽の胴取の佐藤高広氏はいうまでもなく太鼓の名手で、小気味良い太鼓調子と、舞手を引き込む絶妙なタイミングの拍子が当代最高といえると思います。
小学校6年から太鼓で神楽舞台に出たというから驚嘆します。
そして、何よりこの撥車(バチグルマ)です。
南部神楽で胴取あまたいる中で、この技をなしえる者は希少です。
南部神楽で撥車が奏されるのは、神舞や段事などの演目途中で、前半の物語部分が終わって崩し舞に移る際に、舞手が面を外して装束を整える間の数分間です。
それは、幕間の余芸であるとともに、胴取の妙技をアピールする場でもあり、観客も心得ていて大きな拍手や声援で応えます。
太鼓の曲打ちは全国的にも様々な芸能の中で取り入れたりしているようです。
岩手宮城でも太鼓の縁を打ったり、縁がらみといって撥でこすって音を出したりということは山伏神楽でも法印神楽でもあるようです。
しかし、南部神楽の場合は細長い撥を使用しているためにそれが一層強調されるように高度な技を発案し、華やかで躍動感のあるエンターティメントへと発展させてきました。
特に佐藤さんの場合は両手で撥の手を返しながらリズムを取るという難しいことをやっています。
連続写真で御覧ください。
動画でどうぞ。
