富沢神楽 大蛇退治(道化つき)
今夜の月は「後の十三夜」という170年ぶりの天体ショーなそうだ。今年は閏九月が暦に入るため、九月十五日の満月が2度あることになる。ミラクルムーンとも言うそうだが、我が家から見ると今は薄雲に隠れながらも月齢13日の月が見えています。名月を愛でるには少々寒い夜ではあるが。
というところですが、本日は富沢神楽さんの蚕養神社奉納神楽から最後の演目である八俣の大蛇退治についてです。
昨日のブログでは蚕養神社と富沢神楽さんの関わりについて書きましたが、もう一つ蚕養神社と神楽のことについて当日聞いた話です。
大蛇退治の演目で、いわゆる吊るしタイプの大蛇を使う場合、布で作った蛇身の中に籾殻を詰めることが多いようです。
それは、素戔嗚尊が大蛇の首を切り落とすシーンで、籾殻が恰も大蛇の血飛沫のように見せるためですが、もう一つ意味があるようです。
それは、大蛇退治で吹き出た赤い籾殻を持って帰って蚕室に置くと、虫除けになったため昔は大蛇退治が終わると観客は競うようにして籾殻を拾って帰ったということです。これも神楽と信仰の深い結び付きといえるかもしれません。
さて、今日のタイトルにも書きましたが、大蛇退治なのに道化が酒樽持って登場です!
富沢神楽さんの兄弟神楽でもある牧沢神楽さんの台本には「庶民」として登場し、稲田姫を出し惜しむ手名椎足名椎に早く出せと迫る内容ですが、富沢神楽さんでも同じです。そして道化です。いいなぁ。
さて、道化が幕入した後に素戔嗚尊が登場し、大蛇退治を引き受けます。
この日、舞台の外で大蛇を操っていたのは後援会の佐藤さんです。こちらも大熱演で、終わった後は疲れたのか「来年は大蛇はやめっぺ」と言っておられました。お疲れ様でした!
で、素戔嗚尊は 「八雲立つ出雲八重垣妻籠みに八重垣作るその八重垣を」と歌って大蛇に挑みかかります。
で、見事に首を討ち落とし、血しぶきが舞い散った所で客席も大喝采です。
そして幕内から千秋楽の挨拶で〆です。
富沢神楽の皆さん大変お見事でした。ありがとうございました。
それにしても「蛇切りをすると雨が降る」というジンクス通り、神楽が終わった途端に雨が降ってきました。
穴畏ろし畏ろし。
動画でどうぞ。
