蓬田神楽 岩戸開き、くずし舞 @ 大威徳天満宮例祭
さて、本日は蓬田神楽さんの大威徳天満宮例祭奉納の神楽から岩戸開きとくずし舞についてです。
この演目での胴は中頃まで庭元御自らが取りました。
ちなみに蓬田稔氏は一関市保存技術保持者認定第一号に認定されています。
蓬田氏は神楽についてこう語ってくれました。
神楽は「祈りの世界」を表現するものだ、蓬田神楽は神代神楽を大切にしていきたい。
そして、神楽を舞う前には神楽面と向き合い、その面の持つ物語の背景や登場人物の気持ちを考える。それから神楽を舞うことによって神楽に本当の精神が吹き込まれるのだと。
演目の岩戸開きは式舞の一つであるが、蓬田神楽の特徴はこの翁舞にあるということです。
四方を鎮める踏み足に法印神楽の痕跡があり、祈祷舞の要素が表れている。
次いで、天児屋根命の呼びかけに応じて神々が出てくる。
余談になりますが、直会で蓬田氏がこども神楽を指導している時のことを聞かせてくれました。
小学校に鶏舞を指導しているが、鶏舞だけではつまらないだろうから幕神楽もやってみることにした。
ところが十数名も子どもたちがいるので、配役に選ばれない子がいると親からも文句が出る。
そこで、岩戸開きをやらせてみることにしたと、これなら神様が沢山でてくるからな・・・ということでした。なるほど!
蓬田神楽では天宇受売命の舞にも特徴があります。
という訳で天照皇大神の登場です。めでたしと言うところで千代の御神楽となります。
そして面を外してのくずし舞ですが、笹谷流の系統を汲むものです。
ところで、この日の神楽舞台は昔の形を再現するということに拘りがあります。
庭元宅の庭に掛け舞台を組んだわけですが、舞台下には5つの臼が土台として設置されました。
昔は舞台は板敷きだったので、足を踏み鳴らすたびにダガダガと音が出て、それが臼に響いてより一層大きな音が出たということです。
動画でどうぞ。
