小山田ささら @戸沢氏祭 真山寺奉納
さて、本日は秋田県仙北市西木町小山田に伝承される小山田ささらについてです。
いわゆる秋田の三匹獅子です。久しぶりに見たくなって家を出発したのは9時過ぎでした。
8年ぶりの戸沢氏祭でした。
で、始まる前に保存会の方と話をしました。(笛吹きの方です)
「この獅子舞は、戸沢の殿様が岩手県の雫石から山を越えて桧木内に来るときに、峠越えで野獣などを追い払うために殿様の前後にササラが祓いながら進んできたことに由来する」
と言っておられました。そう言われると囃子が軍楽調に聞こえてきたりする。
(尚、ご自身はササラに携わって60年と言っておられました。)
ところで戸沢氏というのは平安時代末期には南部滴石村(現雫石町)に領地をもっていたが、鎌倉時代に入り、入部してきた南部氏と争いになり、秋田県側の桧木内に地方に移ってきたとされています。
その時に獅子舞も一緒にきたとなると、慶長年間に常陸から転封してきた佐竹氏に従いてきた三匹獅子より相当古いことになります。
なれど、現在の雫石町には、仙北地方のササラに相応するような獅子舞は見当たりません。
が、仙北から鹿角地方には先行する土着の鹿踊があったようだとする説もあるようですので、それらに後から入った常州の三匹獅子が混成されたのかもしれません。
また、慶長6年に戸沢氏は角館に移住するのですが、その際に八津村の人々にこのササラを伝授していったため、爾来、八津村の人々によって毎年旧暦7月16日に観音堂や集落内を供養して回るようになったということです。
また、角館へは戸沢氏入部によって三匹獅子が伝えられたのかもしれません。
ささらの演目はかんだち・をかざき・寝ざさら・寝ざさら節変わり・かんだち節変というものがあるということです。
この日は中盤で「寝ざさら」が舞われました。
茣蓙を敷いた上に膝立ちで獅子の昼寝を演じています。
するとそこへ黒い影が・・・
カラスです。
角館のササラ摺りは三河萬歳のような道化面を被って踊りますが、こちらではカラスがその役目です。
もっとも、東長野ささらでは鳥のササラ摺りが二羽ついていますが。
このカラスがまたいい感じです。獅子舞ばかりでなく観客にもちょっかいをかけて廻ります。
また、この日は見れませんでしたが、八津観音堂での奉納が終わると、拝殿内でささら振りの人びとが「座敷唄」をあげるそうです。動画でみると神楽御祝のような感じです。
本当に久しぶりに秋田県の祭り見物をいたしました。
角館祭りのやま行事 暫く行ってないなあ。
動画でどうぞ。
