館下神楽 御所の五郎丸陣屋巡りの場 @ 第37回みちのく神楽大会
さて、本日からは7月20日に開催されました第37回みちのく神楽大会の模様をリポートいたします。
今回は宮城から12チーム岩手から1チームと、東日本大震災で被災しながらも神楽復興をした石巻市北上町の大室南部神楽が出演して開催されました。
最初に審査結果です。なお、この日のプログラムは本日ブログの最下段に掲載しましたのでご参照ください。
【審査結果】
優勝 鶯沢神楽
準優勝 長下田神楽
3位 館下神楽
特別賞 駒堂子供神楽
築館神楽研究会長賞 阿久戸神楽
東北放送賞 白浜神楽
特別奨励賞 大室南部神楽、瀬峰神楽
個人賞
舞 嵯峨立神楽 岩渕太志、羽生秀利、佐藤正彦
声 東北まぐら神楽 菅原友吉
太鼓 沢辺神楽 佐藤忠一
翁舞 瀬峰神楽 二上達也
荒舞 鶯沢神楽 矢崎正嗣
若人 長下田神楽 猪股一雄
女型 宮野神楽 菅原金治郎
さて、ということで本日はトップバッターの館下神楽さんによる御所の五郎丸陣屋巡りの場についてです。
その前に館下神楽さんの由来について
「昭和五三年四月、田中安雄が庭元となり神楽愛好者数人が、志波姫の刈敷神楽佐藤典雄師匠の指導を受け、舘下神楽を創設した。刈敷神楽は、栗駒町栗原神楽の佐藤正吉師匠の指導により復活したという。
初代庭元田中安雄、二代目は曽根英寿である。」
保持する演目で代表的なのは御所の五郎丸陣屋巡りの場、法童丸庭園の場、安倍保名一代記 等となっています。
現在の代表者は柳澤良夫さんです。
胴は近藤菊雄さんです
この演目はいわゆる曽我物の中の一節で、父の敵討を志した曽我兄弟が敵役が富士の裾野の巻狩りに出陣すると聞いて、その陣屋に討ち入りしようとしたことから始まります。
栗原地方の神楽では、こういった曽我物がたくさん演目として取り入れられて人気を博していますが、これは南部神楽で上演する前の年代で、奥浄瑠璃などの語り物芸が村々を渡り歩いた時代に人々の中に深く浸透していたことの現れだと思います。
演目の内容はこうです。
建久四年(1193年)、源頼朝が催す富士の巻狩に参加することになった曽我十郎祐成、五郎時致の兄弟は、その場に実父・河津三郎の仇、工藤祐経も来ることを知り、仇討ちを決意します。
しかし、源頼朝の主催する巻狩りでは、従者の小大名の幕内も警護が固く、容易に近づけないことを知ります。
一の木戸 ニの木戸を通り抜けることができた兄弟も三の木戸で往生します
そこで、御所の五郎丸が兄弟の面接をするのですが、兄弟の心根を知った五郎丸により通ることを許されます。
そして、温情により父の仇敵の居場所を教えられた曽我兄弟は見事仇討ちを遂げるのでした・
動画でどうぞ。
当日のプログラム
館下神楽「御所の五郎丸陣屋巡りの場」
東北まぐら神楽「石童丸父を尋ねて高野山」
宮野神楽「敦盛・玉織姫別れの場」
阿久戸神楽「石川悪右衛門祈祷の場」
白浜神楽「宝剣納めと盗み取り」
駒堂こども神楽「岩戸入り、岩戸開き」
特別出演 大室南部神楽「羽衣」
築館神楽保存研究会「八岐の大蛇」
長下田神楽「金売吉次兄弟鏡が宿の場」
鶯沢神楽「弁慶安宅の関」
瀬峰神楽「大蛇退治」
沢辺神楽「牛若丸と秀衡対面の場」
嵯峨立神楽「三宝荒神」
城生野神楽「岩戸開き」
