布佐神楽 三番叟 @2009年平泉郷土芸能祭 神楽大会
さて、今年の田植えも順調に進み(とはいえ我が家は農家ではありませんが)さなぶり気分といった今日このごろです。
しかし、諸事多忙で祭りも芸能も行けておりませんでしたので、今週はHDに所蔵の過去分の神楽を紹介することと致します、古いネタで大変申し訳ありません。
で、平成21年9月23日に平泉文化遺産センターで開催されました「平泉郷土芸能祭 神楽大会」の様子から書いてみます。
この日のプログラムは次の通りですが、最初の御神楽、くずし舞については諸般の事情で割愛させていただきます。
御神楽、くずし舞 平泉中学校(平泉町)
三番叟、三宝荒神 布佐神楽(一関市)
岩戸入 達谷窟毘沙門神楽(平泉町)
岩戸開 大森神楽保存会(奥州市)
宝剣収め~奪い返し 牧澤神楽保存会(一関市)
八岐大蛇退治 中野神楽(宮城県栗原市)
で、最初は布佐神楽さんの三番叟からです。
布佐神楽さんの由来については定本より
「文久三年(1833)千葉菊治、鈴木門治が世話人となり、東磐井郡相川村(現一関市)字水上の千葉稀治、千葉作右ェ門の指導により、法印神楽を千葉忠之丞、千葉兵太夫に伝授された。
さらに明治八年松川村(現東山町)の法印管野典善師より法印神楽を学び、倭書記神楽の巻物を授けられた。
明治後半から大正初期に至り、法印神楽を基本にしながらも、地方の伝説、民話、物語等を神楽用に脚色したり、科白(せりふ)神楽等も演目に加え、この地方独特の神楽として名声を博して来た。
初代庭元千葉兵太夫で現在の庭元千葉慶一は一○代目である。
昭和五三年三月、川崎村指定無形文化財となっている。」
とのことですが、昨年には南部神楽としては初めて岩手県無形民俗文化財として指定されました。
で、最初は三番叟です。
これはいわゆる真似三番叟です。
子役が三番叟を演じて寿ぎをした後に道化のものが出て囃します。
能楽でいうところのシテとアイの狂言でしょうか。
ですが、見ている側としては、神楽組内での継承の段階(神楽連中の子どもと、熟練の神楽師匠との舞い)を意識しているので、マゴチョイがうまくできたかどうかが最大の関心事となります。
ゆうなればこれは子どもが神楽にデビューする演目でもあります。

道化面を付けた大人の肩車に子供の三番叟が乗って舞います。
よくよく考察するならば、この道化面の者は、もともとは翁だったのではないでしょうか。
老練のものが幼少の三番叟を助けることは観衆にとっても受け入れやすい筋書きと言えますので、このマゴチョイの三番叟が発生した状況がよくわかることと思われます。

動画でどうぞ。
