大室南部神楽 くずし舞い @ 第1回きたかみ春まつり
さーて、本日はこども神楽です。
大室南部神楽さんでは昨年の復活祭以降にかつて行われていた子ども神楽を再興するために子どもたちを集めて練習に励んできたということでした。
大室南部神楽のメンバーにお伺いしましたら、子ども神楽は地域の学校では行っていないので、保存会での練習がすべてですとのことでした。
そして、震災以降は大室地区には住宅がほとんどないため、地区外に住んでおりますので、神楽の練習のために週に一度集まって来るのだということです。
そんな大変な状況と、一生懸命に取り組んできた子どもたちの姿を見るにつけ、この大室の青い海と風の中で御神楽が未来に向かって舞い立つような、清々しい一幕でした。
舞手は小学生が主でしたが21分をノンストップで踊り続けました。
会場のおじいちゃんやおばあちゃんたちも大喜びです。
中でも、感動的だったのは子どもたちが笑顔で神楽を舞っていることです。
これは、日頃の指導者の方々の心がけがよく表れていることで、神楽を通して地域の誇りや親や家族の絆がしっかりしているのだなと感心させられます。
舞いの方は、御神楽からくずし舞いへと、大室の特徴がよく出ている手次で、華やかな中にも粋な振付が入ったりして見応えがあります。
さて、次の写真は当日配布された「大室南部神楽保存会 演目帖」から拝借したものです。
今から20数年前、現在大室南部神楽の主力メンバーである若者たちが小学生だった頃の姿です。
大室南部神楽さんのHPにはこう書いてあります。
「お神楽のお囃子を子守唄のようにして育ちました。
ズボンにめいっぱいのビニールおもちゃの刀を差し、
ティッシュを割り箸にはさみ、幣束代わり。
兄を弁慶役に、五条の橋の牛若丸をエンドレスでマネして演じた幼少時代。
それから二十数年が経ちました。
お神楽の道具は海の彼方に消えてしまいました。
ちょっと勝手は違ってきてしまいましたが、
お神楽やるぞ!
という気持ちはあの時のままに、
また始めたいと思います。」
そして、彼らの子どもたちの数人が今また神楽舞台で神楽を舞っています。
そんなことを考えていたら、私もカメラを構えながらボロボロと泣けてきました。
踊りきって晴れやかに胸をはる子どもたちと、それを見守る大人たちと。
コミュニティーの再生へ踏み出した大室、十三浜の人々にこれからもエールを送り続けたい。
動画でどうぞ。
