村崎野大乗神楽舞初め 天の岩戸
岩戸開きの演目であるが、大乗神楽では天の岩戸を六曲の屏風で表してる。
陸前浜の法印神楽でも、天の岩窟は高舞台の方に屏風を立てて、その中に天照皇大神が待機する形式を取っているので、その形が継承されたものと思われます。
神楽が始まる前に屏風の前方上方に切子の注連縄を巡らしていました。
手力雄命がこれを断ち切ることによって岩戸を開く意味を表しているのだと。
尚、昔はこの注連縄は安産のお守りになると言われていたそうです。
言事が幕内からかかる中で、翁面の鹿島大明神と客僧面の猿田彦命が出て一巡りし幕前に座る。
「天下泰平国家安穏風雨順時五穀成就万民豊楽千代の御神楽を奏し給う」
で二人の御神楽舞となる。
二人が幕に入ると、次に手力雄命が白装束で現れます。
四方を踏んだ後に扇を後方へ投げて扇納めをします。
その次に天の岩戸に近づいて中を窺ったり物音を聞く仕草をし、天照皇大神がいると確信するや注連縄を切って「天の岩戸は今やあくらん」と掛け声を掛けて岩戸を開きます。
出てきた天照皇大神は三礼をし、四方切りを舞って幕入りとなります。
山伏神楽でも法印神楽でも天照皇大神は出てきて立っているだけの象徴的な存在で、踊躍するのは天宇受売命の役割となっていますが、こちらの大乗神楽では双方が併せ持った存在となっているような感じです。
動画でどうぞ。
