鵜鳥神楽 斐の川 @ 平成25年12月7日 奈奈子祭 冬の陣
本日は奈奈子祭 冬の陣から引き続き鵜鳥神楽さんで斐の川についてです。
斐の川という演目は八岐大蛇の仕組みとなって、素戔嗚尊がオロチを退治して稲田姫と結ばれるまでが道化仕立てで進みます。
鵜鳥神楽は陸前浜の法印神楽と同様に舞手自らがセリフを言い立てます。これは出雲神楽の様式を踏襲しているものと思われ、陸前~陸中と海伝いに交流があったのようでもあります。
「我こそはタケハヤスサノウノミコトなり この川に流れ来たるは箸 川上に人里あるには相違なし 隠れて見るらん」と言い立て幕内に入る
続いて、手名椎足名椎と稲田姫が出て、「八人の娘があったが皆オロチに捧げ残るはこの一人、いかにして守るべきや」と嘆きます。
そこへ素戔嗚尊が現れ、我が退治するゆえ物陰に隠れていよと述べます。
幕から現れたのは蛇面に赤い肌着をつけたオロチです。
この辺も法印神楽のオロチと同じです。そして会場に乱入して客を沸かせます。
素戔嗚尊とオロチの戦いになりますが、なかなか決着がつきませんが、ここが道化のしどころのようです。
しまいには会場に居た子どもを抱えて対峙します。
さて、かくて見事にオロチを退治し、印としての面を捧げて手名椎親子を呼びます。「退治したによって喜べ喜べ」
そして、オロチの体内から叢雲の剣を取り出すと「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠めに 八重垣作る その八重垣を」の和歌を歌い上げます
最後は御神楽になって幕入りとなります。
が、更に手名椎と足名椎は道化で締めます。
素戔嗚尊の「後からついて来い」を真似て「後から突いてこ」と手名椎を突付き場内を大爆笑にして終わります。
会場内に沢山の笑顔が溢れました。良かったなぁと思います。
ちなみに、稲田姫役は橋本先生が抜擢されて登場しています。神楽衆になってしまいましたね。
参考までに黒森神楽の背景や演目についてこちらをご一読ください。⇒神田より子著「陸中沿岸地方の神楽」
動画でどうぞ。
