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2013.08.12 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ諸芸

獅子振りのオタンブツ

本日は女川の獅子振りお披露目会から その2です

石巻・牡鹿地方の獅子振りは最初に笛と太鼓の囃子で舞い込みます。
まず、指揮者(大太鼓打ち)が口上を述べる。
「ヤーレヤレ、あきの方からめでたいオタンブツが二千八百人ばかり参って候」

続いてオタンブツという前歌が歌われる。

このオタンブツであるが、本田安次編「宮城県史19・民俗Ⅰ(別冊)宮城県の神楽と舞踊」の中で解説しているので抄録いたします。

「この獅子は予祝行事のお田打(おたんぶつ)についたものが、これだけ取り残されたようである。」
とあります。つまり正月の春田打ちに付属していた獅子舞が独立して伝承され、それが時代を下って悪魔祓いや浜の大漁祈願の風流芸能と変化していったのだろうということである。

そしてこのオタンブツの歌詞はそれぞれの実業団によって多少の違いはあるが、大方は門褒め、屋敷褒め、そして大漁祈願といった内容になっている。

この日、横浦の方に歌詞を書いた紙を見せて戴いたので掲載します。(多少語句の違いがあるかもしれませんがご容赦を)


横浦実業団のオタンブツ

祝いましょう 祝いましょう
御年男は
奥の美山で
千本小松のその中で
向山は大門松
元は白金で
中程黄金で
うらはざんざらやと

そうれに続いて
この方の大屋柄を
つくづく見申せや
柱は白金 梁黄金
屋根は小判でこけら葺き
窓は菱窓 銭車
銭のめどから
朝日がさすやら
夕日が輝く

それに続いて
お恵比寿様 棚を見申せや
右の方には大黒様
左の方にはお恵比寿様
中に立ったる毘沙門天の
長柄のちょうしで泉酒
お一つ上がれや大黒様
お二つ上がれやお恵比寿様
はやせや歌の神

それに続いて
この方の旦那様
お金をたくさんもうけだそうだ
それを祝いて
お獅子の舞でも上げましょうか
お目出度いぞや
若い衆
ホ・ホエー



小乗浜実業団の囃子と獅子 獅子を入れる箱は立派な檜の箱でした。



ここでは老若を問わず、進んで獅子に頭かじりをしてもらっている。

DSC06378.jpg

横浦実業団 獅子頭はダンボールの上に鎮座している

DSC06380.jpg

ここでは少年が獅子あやしをしていた。

DSC06390.jpg




動画でどうぞ。

テーマ:伝統芸能 - ジャンル:学問・文化・芸術

2013.08.12 |

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