八幡神楽 式六舞の6 権現舞
本日は八幡神楽さんの権現舞について 『遠野物語 第110話』
と、その前に、こちらの権現舞には由緒があり、遠野物語に記述されているので掲載します。
ゴンゲサマといふは、
神楽舞の組ごとに一つづつ備はれる木彫の像にして、
獅子頭とよく似て少しく異なれり。
はなはだ御利生のあるものなり。
新張の八幡社の神楽組のゴンゲサマと、
土淵村字五日市の神楽組ゴンゲサマと、
かつて途中にて争ひをなせしことあり。
新張のゴンゲサマ負けて片耳を失ひたりとて今もなし。
毎年村々を舞ひてあるくゆゑ、これを見知らぬ者なし。
ゴンゲサマの霊験はことに火伏せにあり。
右の八幡の神楽組かつて附馬牛村に行きて日暮れ宿を取りかねしに、
ある貧しき者の家にて快くこれを泊めて、
五升桝を伏せてその上にゴンゲサマを据ゑ置き、人々は臥したりしに、
夜中にがつがつと物を噛む音のするに驚きて起きて見れば、
軒端に火の燃え付きてありしを、
桝の上なるゴンゲサマ飛び上がり飛び上がりして火を喰ひ消してありしなりと。
子供の頭を病む者など、よくゴンゲサマを頼み、その病を噛みてもらふことあり。
遠野郷八幡神社さんのHPによれば、毎年1月15日の年越祭に拝殿でのみ、このゴンゲンサマを拝することが出来る。八幡神楽のゴンゲン舞にだけ遠野物語110話のごとく、赤布を炎に見立て火を喰い消す所作があり、特に火伏せの御利益があると伝わる。
ということなそうです。
その権現様とは別に、今年新たに石鳩岡神楽の菅原さんに依頼して新調したものを、この日にお披露目も兼ねての舞となりました。
まさに霊験あらたかです。
動画でどうぞ。
