赤谷神楽 金売吉次 鏡ヶ宿の場 @延年閣
本日は延年閣公演の続きで赤谷神楽さんの十八番ともいえる「金売吉次 鏡ヶ宿の場」について。
本来(?)この演目は狂言ではないのであるが、赤谷神楽流に巧妙に道化が仕組んであり、わかっていてもまた術中にはめられたな、という一幕である。
赤谷神楽からは少し離れるが、そもそもこの鏡が宿の段物は浄瑠璃や歌舞伎等にも取り上げられ、義経と宿敵の熊坂長範の息を呑む修羅場が見せ所、聞き所となっている。
北峯一之進の奥浄瑠璃ではこうだ。
熊坂長範とその手下75人が牛若丸の宿を取り囲み、長範の合言葉により車松明を一斉に投げ込み、紅蓮の炎と燃やし尽くさんばかりに焼き討ちをかける。
吉次、吉内、吉六は騒動の音に目を覚ましてあわてふためいて逃げ出す。
それを見た若君(牛若丸)は「心得たとばかり、陣中霞の法でバッとばかりに消えにける」
さらに追い立てる熊坂長範に友引丸を抜いて打ちかかる。
長範の三尺三寸の刀は打ち払われ、十丈半の高さに飛び上がった牛若丸の足駄で額を真っ二つにかち割られる。
凛然たる琵琶の音とともに、振り絞るような語り口に引き込まれる義経東下りの一段である。
義経さん
熊坂長範
いつもの三人が宮城県民謡 秋の山唄を唄いながら登場すると、客席は大拍手が起こる。
皆さんよくご存知です。
最後は道化の真髄
間抜け役の吉六の箴言「バカよバカよ言われ続けて情けない、これよりは心を入れ替えて商いに精進いたします」
と宣言して、見事な名人の一舞を舞う。カッコイイですね。会長さん。
動画でどうぞ。
