七郷神社丹波神楽 諏訪舞
本日は七郷神社丹波神楽さんの諏訪の舞について。
由来については、千葉雄市著「仙台の民俗芸能」より引用
「七郷神社はもと熊野神社で、荒井の新屋敷西にあったが、明治42年無格社合祀の勅命により他の神社を合祀して七郷神社と改称した。この地域は古くから
木ノ下白山神社の「お浜おり」という神事の際に、深沼(荒浜)へ向かう行列の道筋にあたり、白山神社とはゆかりの深い土地柄でもあった。
この神楽は、昭和2年、七郷神社に神楽殿を建立した際、当時の氏子たちが木ノ下白山神楽を習得し、奉納したのが始まりである。
以後昭和25年まではこれら七郷の人々が白山神社の例祭に当たって神楽を奉納してきた経緯があり、昭和53年、28年ぶりに本家である木ノ下白山神楽と舞楽が復活した際にはその指導にも当たってきた。
この神楽には舞人が鎮魂除魔の足踏みをしたり、狩衣の袖を右手にからめて密かに九字を切り印を結ぶなど、舞ぶりや舞型に修験の呪法とされる仕種が随所に仕組まれてあり、古態を継いでいる。
演目:神子舞、方平舞、剣舞、釣舞、小弓の舞、鬼退治舞、種蒔舞、竜宮の舞、神招舞、跣畢舞、棒錮舞、諏訪の舞、八岐大蛇退治舞
演じられる時期と場所:4月15日、9月15日 七郷神社祭」
とあります。
諏訪の舞は別名を力だめしの舞と呼ばれ、非力な男が「宣命」(「勅命」と記した白紙を折りたたんだ託宣(たくせん)様の文書)の霊力により大力を得て、大石を軽々と持ち上げ、得意げなしぐさをみせるという内容です。
先に出るのは黒い責面の剛力な神です。
次に現れる非力そうな神に「お前も石を持ち上げてみよ」と誘いますが持ち上げられません。
しかし非力な神が呪符を捧げると軽々と持ち上げます。
それのみか、呪符の力によって剛力の神が石を持ち上げられなくしてしまいます。
ついに力比べに勝負がついて二人仲良く柏手を打って決着。
最後は鈴と太刀を持って御神楽の合舞です。
諏訪とあるからには、武甕槌命と建御名方命の力争いの神事に因むものと思います。
なかなか味わいのある演目です。
動画でどうぞ。
