ナガラエを噛む 稲瀬の権現舞
今週は稲瀬芸能文化まつりから書くことになっていました。
石関獅子躍さんの祝福記事でプログラム順が前後しましたが、この日最初に行われたのは四つの舞組による権現舞でした。
胴太鼓の奏楽に始まる神降ろしと祭壇に向かっての礼拝をきっちりと行なってからの権現舞です。
稲瀬地区には十数講の権現舞が伝承され、毎年春秋の彼岸には部落各戸を廻り、家内安全、悪魔払い、火防、五穀豊穣の祈願と先祖の供養をしている。
由来について当日プログラムから抜粋します。
権現舞は150年以上前の嘉永6年、東和町の土沢から佐野向に伝わり、以来、佐野向の人達の努力により今日まで大事に伝えられてきました。
稲瀬では佐野向から宝禄、八幡、十三、新山、沼舘、鶴羽衣、沼尻に伝承されています。
権現舞群舞は昭和57年にこれら8団体により創作された群舞で、第1回稲瀬芸能文化まつりからこれまで毎年欠かさす披露されています。平成17年度には各団体の後継者育成と伝承に寄与してきたことが評価され、江刺市教育長表彰を受賞しました。

ところで、権現舞の後半で別当が水柄杓や神酒等を権現様に捧げる所作が入ります。
他の山伏系神楽であれば観客がお祓いを受けたい品々を権現様に噛んでもらうところである。
が、権現舞の組に所属する知人のKさんが教えてくれたところによると、ここでは「ナガラエ」という青赤布に結びつけて噛んでもらうということなそうである。
動画でどうぞ。
